貧困な我が想像力に戸惑うばかりー今村昌弘『屍人荘の殺人』を読む

この本に関する関係者の絶賛ぶりを目にして、読まない人はおかしい。だが、読み終えて全く感心しないーという私は恐らくおかしい。今村昌弘『屍人荘の殺人』を私が読む気になったのは新聞書評による。本屋で手にした表紙の帯には、「21世紀最高の大型新人による前代未聞のクローズド・サークル」とあったうえ、人気作家の圧倒的な支持する声がずらり。このところ推理小説は読んでなかったこともあり、迷わず買った。そして悪戦苦闘して数日かかって読み終えた■私がこの本に賛同しないのは勿論理由がある。一つはリアルがないということ。二つは、影の主役の登場がおもわせぶりに書かれているだけ。恐らくは続編に出て来るに違いないが、もう少し触れてくれないと面白くない。小説の世界だから何を書いてもいいという風にはわたしには思えない。こんなこと絶対起こらないと思わざるをえない舞台設定には生理的嫌悪感を持ってしまう。いやあSF小説はどうするのかなどと言われたくない。一方で登場人物の描き方などにリアル感が漂うだけにちぐはぐさが馴染めない■すべては冒頭の手紙に匂わせられている、班目機関なる「特異集団」のしでかしたことで、今後に続くのだろうが、それなら最後になんらかの予告がないと中途半端な感じがしてしまう。実は名探偵シャーロック・ホームズとその友人ワトソンを思わせる明智と葉村という名の大学生が登場するのだが、早々と明智が死んでしまうことに、奇妙な感情が沸いてくる。嘘だろう、と。次々死にゆく人々の展開に読み手の意識が追いつかないのである。密室殺人の粋がこめられているとか、トリックが密接に組み込まれていると言われても■あれこれとケチをつけてしまった。結局はわたしという人間が創造力が貧困で、推理小説の何たるかを知らないということに尽きるのかもしれない。こんなにも絶賛するひとがいるのに。真逆にこういう本が凄いという人たちはいったいどういうひとだろうと思ってしまう。私の感性がおかしいのか。この本を推す人たちがおかしいのか。是非皆さんもこの本を読んでみてほしい。(2018・2・24)

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