いちから解る集団的自衛権問題(中)ー公明党がしてきたこと

公明党が誕生したのは昭和39年ですが、その頃は自衛隊には違憲の疑いがあるとし、日米安保条約体制も段階的に解消していくべきだとの態度を表明していました。しかしその後、自国を自らの手で守れないという憲法解釈は成り立たないとの判断から、党内で大議論を始めました。その結果、昭和56年の時点で、自衛隊は領域保全能力(領土、領海、領空を守るために、水際で日本を守る力)を持つためのものならば、それは合憲の存在である(つまり憲法違反の存在ではない)と、憲法解釈を確定したのです▲これは、長く自衛隊を違憲としていたのに、政権欲しさに一朝にしてコロッと態度を変えた村山社民党と対極にある姿勢だと言えましょう。また、共産党政権のもとでなら軍隊を持つのはいいが、今の憲法の下では、自衛隊は違憲だとする、日本共産党のようなご都合主義の身勝手な政党とは全く違います。勿論、憲法の明文規定を変えて、晴れて国防軍という名の軍隊を持ちたいという自民党とも違うのです▲以来、今日までの30数年間に、日本が対外的な課題で判断を迫られた大きな転機が三回ありました。一つは湾岸戦争、二つは、イラク戦争、三つはアフガン戦争です。公明党は、その都度、きちっとした党内議論のすえに、いずれも憲法9条の範囲内で出来ることはしていこうとの決断(つまりこれは自ら”行動する国際平和主義”と規定しましたが)を下してきました。湾岸戦争の後の、PKO(国連平和維持活動)への参加、イラク戦争では、非戦闘地域における人道復興支援、アフガン戦争では戦地とは遠く離れたインド洋上での給油支援等がそれです。これらは、直接の武力行使には関わらないという観点で、憲法9条のもとでも許される行為だとの判断でした▲今回も、公明党は9条の範囲内の行為なら出来る、そうでないはみ出たものはしてはいけない、との基準を持って徹頭徹尾、自民党との協議を進めてきました。まず、日本の領域の外で集団的に実施される武力行使に日本が参加するのは許されない、としました。一方、日本の主権が及ぶ地域内での日米協力や、武力行使に至らない侵害などグレイゾーンにおける対応については、今まで曖昧なままだったので、整理しました。そのうえで、憲法9条の範囲内で出来ることとして、明確に線引きしたのです。(2014・7・12)

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