「集団的自衛権」の説明でのてんまつ

しばらくぶりに300人を超す聴衆の前に立った。神戸市北区での国政報告会に県本部顧問として。「集団的自衛権」をめぐる安全保障政策について語って欲しいとの要請を受けたものだ。予めプリントを用意した。そこには、自衛権とは、個別と集団の差異、そして集団安全保障との違いから始まって、今になってなぜこの問題が起きてきたのかなどと進め、最後は、私が考案した憲法と安全保障の関連イメージ図の解説を書いておいた▼一会場目では、冒頭に、ついつい余計なことを喋ってしまった。特に、「姫路の黒田官兵衛ならぬ、赤松正雄です」から始めてしまったので、「伊丹では、荒木村重が官兵衛を有岡城に幽閉したとは言わず、一年間滞在して頂いた」と言っているようだとジョーク交じりで紹介(これは受けた)したり、「先週の放映で、毛利の吉川元春が、晩年を本でも読んで過ごすつもりだったのが、己が命を何に使うかが大事だと官兵衛に説得され、九州攻めに加わったことには、定年後の私にとっても大いに考えさせられた」などと話を滑らせてしまった▼本題導入部の自衛権の説明に入る前にも、前提として三つの疑問を挙げた。一つは、元々公明党は集団的自衛権行使には反対だったのではないのか。それが、限定的にせよ行使容認に踏み切ったうえ、それを大きな成果だと言い募っているのはおかしくないか。二つは、公明党の平和主義はどこへ行ったのか。三つは、支持母体の創価学会は、行使容認は解釈改憲であり、それは認められないと言っていた。食い違いは明らかではないか。これらはしばしば耳にするものなので、一つ一つ丁寧に自答した▼第一に、今も集団的自衛権のフル行使には反対である。今回のは、むしろ今まで曖昧だった個別と集団にきっちっり線引きし、自国領域内では個別的自衛権として対応することを鮮明にしたものだ。自国領域外での武力行使には関わらないことを明らかにしたことが大きな歯止めであり、成果だとした。第二の平和主義については、公明党はかねて「行動する平和主義」と言ってきており、旧左翼のように「座して希望するだけの平和主義」や伝統的保守のようなひたすら拡大を求める「積極的平和主義」にも疑問を持つと述べた。三つめについては、解釈改憲を公明党はしていないし、するつもりはない。今回の自公協議での合意は、過去におけるPKO派遣やイラク、アフガンなどへの対応と同様に9条の枠内ギリギリの政策判断だとのべた▼以上の説明の後で、レジュメにしたがって解説をしたが、いささか時間が少なくなってしまった。恐らくは多くの人々は、やはり良く解らんとの思いを持たれたのではないかと懸念する。二会場目ではその反省に立って、冒頭のあいさつや前提に時間を割くのは極力抑えて、本題に素早く入った。しかし、それでも終わって舞台そでにいると、一人の壮年が質問がある、と言って入ってこられた。以下は次号のお楽しみに。(2014・9・1)

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