年賀状を書き、各紙「対談」読み比べ(下)

年賀状を書くのはなかなかしんどい。12月に300枚ほどを購入して書き始めたものの、結局年内に投函したのは半分程度。あとは頂いたものへの返事と決めていた。このため、正月三が日は勝負となってしまった。年賀状も色々。私が毎年貰う人の中で、経済評論家の大前研一さんのものは、細かい字で400字ほどびっしりと印刷されていて、読み辛いものの、読み応えがあります。今年のものには「三十年前に『平成維新』を書いて、何事も成就できずに、いよいよ平成とはおさらばします。自分自身の力の足りなさを反省すべきですが、同時に国民の平均年齢が五十を超える二〇〇五年までに改革しないと、数百年はずるずる落ちるという予言だけは当たりました」とありました。「反省すべきですが」と書いてるのは、なかなか殊勝げですが、すぐその後に、数百年先の予言をわずか15年程度で、当たったといいきるのは自信家のこの人らしいです■さて、昨日に続き新聞各紙読み比べをやっていきます。今日は、対談の読み比べです。一番注目されたのは、讀賣。かの小泉進次郎衆議院議員と橋本五郎特別編集委員の組合せ(3日付けは山尾志桜里氏)。ポスト安倍の将来の首相候補のひとりとしての呼び声が高い小泉氏と、私と同世代で、親しい五郎さんとの対決です。「問われる日本の生き方」がタイトルですが、落語、天皇、トランプ、農業、国会改革と話題はとび、面白い中味でした。小泉氏は、トランプ大統領が登場した時に、「わくわくする」とコメントしました。世間的には悪評だったようですが、私はそこに彼らしさを感じ、いい評価をしてきました。彼は改めてこの対談で発言の背景は「日本がどう生きていくか問われる時代になると確信」したからだというのです。そういう時代の主役足らんとする意気が伺え頼もしい限りです。この対談はここにもう少し焦点を絞って欲しかった気はします■もう一つ注目したのは神戸新聞恒例の新春知事対談。今年は劇作家の平田オリザ氏。この人、15年から豊岡市にある城崎国際アートセンターの芸術監督を務めるなど、この地域で芸術文化の力を生かした地域おこしに携わっています。先年読んだ本の中に、彼は「若い女性に好まれない自治体は滅びる」(『人口減社会の未来学』)と述べており印象に残っています。「文化による社会包摂」を目指すとしています。兵庫県が2年後の開校を目指す「国際観光芸術専門職大学(仮称)」の学長に予定されており、この8月には豊岡市に引っ越されるとのこと。「深い教養を備える人材育成を目指す」平田さんに対して、「4年制大学の開校は地域の悲願」という知事とのやりとりは、大いに期待感が高まります。淡路島での観光人材育成を目指してこの数年取り組んできた私は、対抗心を燃やしつつこれから見守っていきたいものと思いました■最後に、公明党の機関紙公明新聞の一面トップの対談にも注目せねばなりません。山口那津男党代表と作家の佐藤優氏との対談です。冒頭から佐藤氏は「平成という時代を思想面から整理すれば、中道主義が勝利した時代と言えます」と切り出し、「社会が変容し、公明党的な中道の価値観が周縁から中心に移ってきました」と断言しているのは嬉しい限りです。東西冷戦崩壊を資本主義の勝利としか見ない世の識者たちは目を丸くするでしょう。ここに佐藤氏の真骨頂があります。一気に読ませます。山口代表はこの対談だけでなく色んな場面で、公明党はもっと安倍自民党批判をとの声に、ひたすら「政治の安定を」と説き、幅広い民意との合意形成をと強調しています。 公明党を「人間主義の価値観で政策を創造し実現できる」党として持ち上げてくれる佐藤氏を、全国の公明党議員は裏切ってはならないと思うことしきりです。この人は、かつて私が衆議院外務委員会で鈴木宗男同委員長(当時)に対して発言(平成21年11月18日)したことを、ほぼ5年後になって著作上で取り上げました。その昔衆議院の証人喚問の場(平成14年3月11日)で、私が鈴木代議士を揶揄したこと〝詫び〟を入れたうえ、鈴木宗男、佐藤優の二人の盟友関係を称賛したことについて、です。佐藤氏は私の発言の背後に、創価学会や公明党が持つ「組織の文化」があり、「国家が何か策動しているときに一歩引いて状況を観察する。国家権力の論理とは別の価値観で動いている」(『創価学会と平和主義』)からだと評価してくれました。有り難いことです。彼についてはまだまだ触れたいのですが、今回はこの辺で。(2019-1-3)

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