旧正月前の台北で「観光戦略」の重要性を実感

21日から3泊4日の日程で台北に飛んできました。主たる目的は「瀬戸内海島めぐり協会」の専務理事として、現地の旅行会社にインバウンドを巡る商談をするためです。朝から夕刻まで、仲間2人と二日間で合計11社を訪れ、あれこれと意見交換をしました。旧正月前の慌ただしい季節。予想に反した肌寒い気候でコートの有難さを痛感しました。夜は日本台湾交流協會の沼田幹夫所長(大使)と公邸で懇談したり、旧知の毎日新聞台北支局長と面談。帰国直前には総統府を表敬訪問して政府高官と会談するなど充実した旅となりました▼日本への外国からの観光客はいよいよ3000万人を超えて目標の4000万人に近づきつつあります。ただ数は増えても、その内実はおそまつで、真に喜ばれているものになってるかどうかは疑問符がつきます。私の今回の訪台は、台湾人のニーズは何かを探り、彼らが満足する旅行プランを彼らに考えさせて、その実現に向けて支援する狙いを込めました。従来の日本仕立てのものの押し付けは止めることに主眼を置いた新たな試みです▼これは兵庫県と観光庁の地方創生交付金を原資にした、日本版DMOの具体的展開で、大いに注目されるものと自負しています。今回の訪問先のうち2社からは具体的なオファーがありましたし、残りの企業からも、これからの詰めを期待させる手応えを感じました。いくつかの旅行社は今春の瀬戸内芸術祭に興味を持っており、中四国や近畿圏とを繋ぐエリアに足を伸ばして、日本の魅力を満喫してもらうことが出来そうです▼沼田大使との語らいでは、具体的に彼が台湾富裕層の一行と共に四国を訪問した際の経験談を聞くことが出来ました。高松空港での入出国時の手際の悪さが指摘される一方、台湾旅行社が同行させた台湾人ガイドの見事な仕事ぶりには敬服したと言うのです。訪問先の地域的特徴は元より、詳しい歴史的背景に至るまで熟知した上で、見事に解説してくれたと聞き、日本の受け入れ方の貧弱さに身がすくむ思いがしました。また、台湾政府要人からは、日本からのアウトバウンドが昨今少ないことへの注文がつけられる一方、中国が「観光」を戦略的に使って、台湾経済の浮沈をコントロールしていることへの苛立ちが披瀝されました。両者の話から日本の「観光」政策の戦略性のなさが浮かび上がってきました。(2019-1-25)

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