税理士会の猛反対は覚悟の上の「軽減税率」導入

衆議院総選挙が今日公示された。公明党が初めて衆議院選挙に挑戦したのが昭和41年12月27日投票のとき。いらい、今回で17回目になる。私が公明党員になったのが前年の3月で、党が創立された翌年のことであった。東京都議会の黒い霧解散で、初のリコール選挙であった。続く衆議院選挙も黒い霧解散といわれ、第一次佐藤内閣のもとでの選挙であった。ほぼ50年の間に実に様々な選挙戦を戦ってきた。まったく普通の有権者として選挙に臨んだのはこの一回目だけで、二回目からは公明新聞記者として報道に携わり、9回目の平成2年1月の選挙からは自身が候補者として臨んだ▼いらい7回選挙をやり、前回からは再び一有権者、一OB議員としての選挙戦をしている。こうした経験を通じて選挙のあり方について思うことは、候補者の有権者との接触の少なさについてである。かつては選挙人の立会演説会があった。候補者の政見を見聞きし、それぞれを比べる機会があったのだ。狙いとは裏腹に対立候補の演説への露骨な妨害などが目に余り、やがて廃止の憂き目をみることになった。思えばこうした機会の解消と国会での演説力の低下とは無縁ではないような気がする。選挙期間も順次短くなり、候補者自身との接触は少なくなる一方だ▼公示の前日、私はかねて懇意の税理士事務所(姫路市内)を訪ねた。以前に紹介をしていただいた娘さんの嫁ぎ先(神戸市北区)に選挙支援の依頼にいった際の報告をするためである。挨拶も終わらぬうちに、「軽減税率はいかん。あんな面倒極まりない計算を必要とするものを導入するのは断固反対だ」と厳しいお言葉をいただいた。税理士の立場からすればそうだろう。この春先に5%から8%へと上がって大変な混乱を余儀なくされたのに、そのうえさらに次の10%への引き上げの際に、複数税率になると、食料品の定義自体から始まって難題山積みだ、と。公明党が余計な注文をつけるから安倍首相も前向きに検討するといっている。これでは先行きが思いやられ、前途真っ暗であるとも▼そうした反対の声は税理士だけではなく、中小零細事業者からもその計算の煩雑さを盾に上がっている。しかし、消費者の側からすればなんとか食料品など生活必需品には軽減税率を当ててほしいとの声は切実なものがある。ここは八方美人的対応は許されない。税理士さんには頭をひねっていただき、難しく煩雑な計算に耐えうる作法を編み出していただくしかない。先に、公明党もすでにそうした類似の税制度を導入している外国の実態を視察,調査するなどしてきており、これからも鋭意研究する姿勢だ。庶民の生活を守るためには、税理士会の猛反対は覚悟の上のことである。(2014・12・2)

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