お風呂も景気もエアコンも上から熱くなる

公示から一週間が経とうとしている。連日友人,知人に電話をしたり、自宅や会社を訪ねたりして、選挙戦をめぐる対話を重ねている。この道50年の超ベテランになってしまったが、いつもながら選挙は楽しい。大げさに言うと、人間と対話をする醍醐味を味わえるからだ。ま、懐かしい人に会える喜びと言ったほうが早いか。勿論、嫌な思いをしたり寂しい気持ちになることもままあるが、それは仕方がない。この世界いろんな人がいると思うしかない▼この50年間にした経験で驚いたものを幾つかあげてみる。候補者時代。戸別訪問をしている最中に、ある家で、「あなたここから先、入ってくると選挙違反で訴えるわよ」と言われたことがある。しばらくもみあったが、すぐに辞した。重大な勘違いをされたのか、それとも単なる候補者撃退法を駆使されたのかは未だに分からない。また、後援者から握手を拒否されたときは少々傷ついた。曰く「私はいかなる人でも男性とは握手しない」と。かなりの潔癖症な方とお見受けした▼つい先日のこと。友人がそのまた友人を私に紹介しようとしてある事務所に連れて行ってくれた。アポイントを取っていなかった弱みがこちらにはあったが、その相手の対応は酷かった。「なんの用事。で、どなた」「いや、元衆議院議員を紹介しようと思って」「今何しているひと?」「いや、ま、特に。元議員だから」「それがどうしたの。今忙しいの」ー唖然とした。私への仕打ちよりも、紹介してくれた友が気の毒になって仕方がなかった▼これまでの選挙戦では議論になるよりも、ニコニコポンが多かったが、今回は一味違う。アベノミクスなる景気・経済政策の是非が真っ向から問われているからだ。庶民の生活実感がまだまだデフレ脱却からはほど遠く、加えて物価高の様相で貧富の差が拡大していることは否めない。それがアベノミクスの失敗なのか、未だ途上であるがゆえの事態なのかを見極めることが最大の争点だ。私は明らかに後者だと確信する。お風呂でも景気でも、そしてエアコンも通常は、まず上から熱くなるのが道理だ。全体に恩恵が行きわたるにはまずは富裕層や大企業から出発するのはやむを得ない。これから最前線に景気上昇のうまみが行き渡る。今少しの辛抱だろう。それが叶わなかったら、今の政権は潔く敗北を認めるしかない。この辺りを懸命に訴えていきたい。(2014・12・7)

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