姫路マラソン参加者と沿道応援者との交流

ゴールまでおよそ1キロあまり。42キロ強を走ってきたランナーたちにとって天にも昇るような気分であるに違いないと思える場所で私は立っていました。2月22日の世界文化遺産姫路城マラソンの開催日のことです。5年余りをかけて修理をしてきたこのお城もようやく完成。来月の27日にフルオープンするのですが、それを記念して開かれたこの走る祭典に、地元自治会の一員として通過地点の沿道応援に参加したわけです。9時にスタートして15分ぐらいでトップランナーが姿を現しましたが、それ以後全国各地から参加した6千人が通り過ぎるまでおよそ1時間。いつもは習慣として早朝に走る身ですが、この日はひたすら走る人を応援し続けました▼自分の拙い経験からすると、といっても私はフルマラソンの経験はなく、わずかにハーフを走ったのが一回だけ。あとは、10キロかせいぜい15キロを走る程度のジョガーですが、走る喜びと厳しさは分かってるつもりです。ですから、スタート直後とゴール寸前ではおよそ天と地ぐらいの違いがあると思い込んでいました。しかし、結構皆さん元気で、沿道の応援者と交流すらできました。「あと僅かだよ。頑張って。ビールが待ってるよ」というと、「ありがとう」とか、「だめ、下戸だから」と色んな返事が返ってきました。また途中から雨が降り続けてきたので「雨降らせてごめん。これに懲りずに来年も来てね」の呼び掛けには「いえ、いえ。いい気分で楽しく走れました」との明るい答えもあったほど▼様々に装う人も少なくなく、楽しい雰囲気が溢れていました。動物の縫いぐるみを被ったり、お化けの恰好をしたりした人もいたし、高下駄、しかも一枚歯で走ってる(現実には歩いていた)人までもいたのには驚きました。また、伴走者と一緒に懸命に走る視覚障碍者の方も二人ほど見かけました。そんな中、三人の友人ランナーから声をかけられたのには嬉しい思いがしました。一人は私が通う歯科医院の衛生士さん。今一人は西脇市選出の自民党県議。そして最後は、大学の後輩で地元某印刷会社の幹部。いずれも当然ながら疲れてはいましたが、心から楽しそうでした▼私は60歳から本格的に走り始めてやがて10年が経つのですが、フルマラソンは文字通り高嶺の花。今年こそ、とは思うもののなかなか困難です。だいたい誰が42キロなんて決めたんだと開き直って、最近はもっぱら一時間8キロに専心しています。今朝も姫路城周辺を走ろうと向かっていると、走友である通称”走る弁護士”と出会いました。「昨日は走ったの?写真を撮ろうと待っていたのに逢えなかったね」「ええ、走ったんだけど、途中でダウンしました」「どの辺で?」「21キロ余りで」「それは残念だったね」「心肺機能が低下してるのかも。たばこの吸いすぎかな」などと会話をかわしました▼この日は走り出したのが7時過ぎ。走り終える少し前の8時頃には姫路城一帯はものすごい霞がたなびき、100メートル先は全く見えないほど。暦の上では、ちょうど二十四節気のうちの雨水次候にあたり、七十二侯では五番目の「かすみはじめてたなびく」ころとあります。まさにドンピシャの季節到来に深い感動を覚えつつ家にゴールインしました。(2015・2・23)

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