コロナ禍の中での国会論戦から何が見えるか

ようやく国会での質疑が始まっています。先週の衆参本会議から今週の衆議院予算委員会での補正予算審議へと舞台は移りました。菅首相の喉、咳をめぐっての懸念は、週刊誌報道で知りましたが、テレビを見て聞いている限り、益々疑問が高まります。ご本人は野党委員から問われて、大丈夫だと言っていたものの、かすれた声を聞くにつけ疑念は残るのです。また、棒読みやら、答弁を差し控えるとの発言が110回を超えて、安倍前首相の虚偽答弁に迫る多さというのも気になります。コロナ禍という未曾有の国家的危機の中だからこそ、政府も与野党議員も健康管理に気をつけて、しっかり対応して欲しいものです▲閉会中審査で、議員運営委員会でのやりとりを先日テレビで見聞しました。首相欠席で衆参午前と午後に分けて、西村康稔経産相が答弁に立っていたのですが、およそ衆議院の方は追及に迫力がなかったのが気になりました。とくに質問者に枝野幸男立憲民主党党首がいながら、なんともしまらなかったのです。他党は中堅議員ばかりなので、余計に惨めに見えました。そこへいくと、参議院は自民党の質問者は医師出身らしく切れ味鋭い内容でしたし、立憲民主党の女性議員は極めて聞き応えがある追及質問でした。我が公明党の質問者は僅か5分という質疑時間が可哀想でしたが、精一杯やっていたのが印象に残りました▲この国会質疑における〝参高衆低〟という評価視点は、私の勝手な見立てですが、あながち荒唐無稽ではないのではと、思い込んでいます。それは一にも二にも衆議院への対抗意識がなせるものだと思います。最近は少しなりを潜めていますが、自民党のN氏はおよそ与党議員とは思えぬくらいの迫力ある追及型の質問で、しばしば驚かせられます。また、先日の本会議質問でも地方議員出身の自民党議員が独自の切り口で質問をしていましたが、それなりの努力を伺わせる背景を実感しました。参議院の方が公明党の山口那津男代表始め各党とも論客揃いと思われます▲衆議院を見ていると、野党第一党の立憲民主党に所属するベテランたちが最近は音無しの構えのように見えるのは不思議です。というのも、往時の役者たちが自民党に鞍替えしたり、希望の党から国民民主党へと移動していることと関係しているのかもしれません。一言でいうと、衆議院の野党が元気がないのです。その分、公明党が頑張ればいいのですが、残念ながら、ピリッとしない寄り添い型の与党質問ばかりに見えます。政府答弁にいちいち「ありがとうございます。いいお答えいただきました」などという必要などないのに、いう議員が散見されるのは聞き辛いといえましょう。第一日目の質問者はこれまで切れ味鋭い質問をする後輩で高く評価してきましたが、今日は与党的過ぎて失望を禁じえませんでした。河野太郎行革担当相のワクチンをめぐる発言問題など、格好の追及材料なのに、逆に「運び屋」だとか、「突破力」云々と持ち上げるだけ。聞いている有権者は敏感です。公明党の態度に手加減、匙加減はないのかどうか。与党であっても言うべきは言うとの姿勢を貫いて欲しいものです。(2021-1-25)

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