「日本版DMO」の先駆・豊岡市に刺激を受ける

先日テレビを観ていると、中国で沢山の人の関心を集めているサイトの事が話題になっていました。ある中国人女性レポーターが日本の各地を回り、様々な事を紹介していたのです。例えば、日本に旅をした中国人に訊いた質問は➀これを食べたら死んでもいいというくらいとりこになった食べ物は何か➁町の中で見た風景で一番感動したものは何か➂日本で一番好きな風景は何かーというものですが、みなさん、一番多かった答えはわかりますか?➀ラーメン➁スクランブル交差点➂田園風景でした▼中国は今が日本での旧暦のお正月。春節といってお休みのシーズンで、大勢の旅行客が日本中に溢れています。先のテレビ報道でも、”爆買い”と称する大量の消費の仕方、食べ物をあたりかまわず散らかしたままの食卓、商品をやたら触りまくったりするマナーの悪さなどが取り上げられていました。私の知人は以前に温泉宿で中国人と思しき一行と鉢合わせになり、その体の洗い方に戸惑ったとの体験談を語ってくれたことがあります。かつての日本人も似たり寄ったりだといって涼しい顔ならぬ、暖かい心でやり過ごす人もいるでしょうが、日本の観光地はそれなりの対策をとろうと今真剣になっているようです▼先日、観光庁が大阪の国際会議場で開催した、シンポジウム「日本版DMOの形成に向けて」に参加して来ましたが、なかなか啓発されました。DMOとは、Destination Manegement/Marketing Organization の略で、地域の観光のマネジメントとマーケティングを一体的に行う組織のことをいいます。観光客を誘致するための戦略策定から、マーケティングやプロモーション、品質管理などを行う事業組織で、欧米やアジアではすでに一般的になっているようです。日本では市町村の行政や地域の観光協会、そして旅行業者がそれぞれバラバラで取り組んできた傾向が強く、なかなか地域主導の戦略策定やマーケティングは行われてきていません。ようやくここにきて地域主導の「着地型観光」が注目されてきており、「瀬戸内海島めぐり協会」にかかわる私も、刺激を受けて参考にしたいと考えて参加したわけです▼シンポジウムでは豊岡市の副市長の話が一番ひきつけられました。城崎温泉を抱える同市ではこの数年でインバウンド客が倍増。見事な実績を上げています。中国などのアジアではなく、欧米の観光客にターゲットを絞るなど戦略性が光っています。ここはコウノトリの放鳥などかねて先駆性に富んだ町づくりで話題を提供してきましたが、改めて行政と地域が一体化した取り組みに目を見張る思いでした。兵庫南部の淡路島としても北部に負けない取り組みをしなければ、と決意を新たにしたしだいです。(2016・2・14)

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