今そこにある零細市場の危機を救うために

私の住む町の中に小さな市場があります。少し前にはあちこちにこうしたところはあったのですが、最近はすっかり姿を消しています。大型スーパーの進出で次々と店じまいをしていったのですが、うちの町内にあるこの「フレッシュ新在家」という共同組合市場は今なお頑張っています。野菜、肉、魚、お菓子、パン、総菜、クリーニング屋さんがテナントや組合員としてお店を出しているのです。入口近くにお寿司屋さんがあったのですが今は休業中であったり、借り手募集中の張り紙のあるお店跡があるなどいささか元気のない雰囲気が漂っています▼実は私が顧問をしているAKR(オール小売共栄会)は、町の中にあるこういう市場を蘇えらせるためのものです。一店だけではとても大きな企業に太刀打ちできないところを共同で立ち向かおうというものです。商品を複数の市場による共同で仕入れ、配送し、保険をも掛けあおうという素晴らしい発想による仕組みです。これこそ零細、小企業を救う手だてとして注目されます。二十年ほど前からこの団体に私は関わってきており、以前からこの「フレッシュ新在家」にも加入を勧めてきましたが、なかなか受け入れられませんでした。それがこのほど加入の意思を示してきました。それだけ事態は急を告げおり、経営実態が厳しくなっているのでしょう▼実は去年、石破茂地方創生担当大臣に会って、保険を活用して零細企業の与信能力を高めるという「AKR方式」を全国展開すべきではないかとの政策提案をしました。彼は大いに関心を持ってくれました。私が現役であるなら、AKR方式の導入推進を国会の委員会の場で迫りたいところですが、残念ながら叶いません。で、後輩たちに託しています。第一弾として先日、濱村進代議士(近畿比例ブロック選出=私の後任)に予算委員会第七分科会で取り上げてもらいました。新人らしからぬ堂々とした質問ぶりでした。さすが元野村総研出身だけのことはあります。しかし、中小企業庁は、AKRのような共同組合制度を活用する必要性の認識は示しながらも、全国の小規模事業者に周知徹底する難しさを指摘するだけで、具体的な取り組みの方途は示しませんでした▼政府は今、中小企業団体中央会や、その下部機構を通じて中小企業基盤整備機構なる組織を立ち上げ、中小企業の活性化に取り組もうとはしています。これで間に合っているだろうとの安易な姿勢が垣間見えます。しかし、その成果は殆ど挙がっていないというのが実態です。AKR方式の導入こそ起死回生の一打になるということを、過去の実例を示しながら今後も濱村氏をはじめとする後輩たちに迫っていってもらうべく求めていく所存です。(2016・3・4)

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