戸別訪問の解禁が政治変革に繋がる

熊本県を中心とする九州地域の大地震の連発が心底から気になります。中学、高校同期の親しい二人の友人や知人の安否を電話で訊くなど心重い日々です。21年前の阪神淡路の大震災以来、新潟、中越、東北、そして今回とほぼ5年おきに大きな地震が日本の各地を襲ってきています。かつて党理論誌『公明』誌上で安田喜憲東北大名誉教授と私が対談した際に、彼が「巨大災害の時代の到来」と言われていたことをリアルな実感を以て思い出します。そんな折、公明党議長の太田昭宏前国土交通大臣が明石にセミナーに来るとあって、参加してきました▼彼は京都大学で土木工学を専攻し、地震工学にも明るいことで知られています。私とは同い年。しかも同じ職場で数年間同じ釜の飯を食った仲間です。落選も当選も一緒でしたが、こちらは引退しても彼は益々頑張っています。嬉しい限りです。兵庫県の井戸敏三知事も昭和20年生まれで親しい友人ですが、共に現役でやってくれてるうちはこっちも張り合いがあるというものです。太田さんは相変わらず元気いっぱいの勢い漲る講演ぶりでした。惚れ惚れする演説ぶりは益々磨きがかかっていました。私が聞いた政治家の演説の中では間違いなくピカ一です。会場に参加された皆さんは恐らく勇躍歓喜して現場に散ったに違いありません▼7月の参議院選挙にむけてこれから選挙ムードは一段と高まってきます。一方、アメリカでは大統領選挙の民主、共和両党の候補者選びの予備選挙が本格化しています。先日、その選挙戦に日本人として参加している明治大学の海野素央教授のインタビュー記事を新聞で読みました。彼は8年前から同様の行為をしており、前回も同様に書かれた記事を面白く読んだものです。一軒一軒戸別訪問して自分の支持する候補者の政策や人となりを宣伝するのです。「選挙は自分の考えを他者と交わし、理解しようする機会」だと、民主主義本来の展開ぶりを高く評価しています▼日本とのあまりにも大きな差を感じ、羨ましく思いました。ご承知のように、日本の場合は個々の住宅を特別の候補への投票依頼をするべく、選挙運動として頼みに軒並みに回る戸別訪問が禁止されています。日常的な政治活動は自由なのですから、日ごろからどんどん家庭訪問をして選挙依頼やら政策談義をやればいいのですが、常にプレッシャーがかかってきます。選挙制度の最大の課題はもっとオープンな選挙戦をすることに尽きると思います。「買収に繋がる」とか、「有権者の平穏を乱す」からやるべきではないというのが”日本の常識”です。このあたりを変革することから、日本の政治が大きく変わることに繋がると私は確信しています。(2016・4・19)

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