国会議員の仕事ぶりを点検、吟味する機関の必要性についてー「国会改革」の前に(上)/5-4

このところ、国会議員の犯罪や不祥事がメディアを賑わせています。今に始まったことではなく、昔からあるよという向きも多いかもしれません。ここで私が指摘せざるを得ないのは、政治家全体の劣化という問題です。その原因については、小選挙区比例代表並立制の導入にあるとか、戦後民主主義の帰結だとか指摘することができるかもしれませんが、ひとまず置きます。無為に過ごしているかに見える政治家をどうすれば、シャキッとさせられるのか。勿論懸命に使命を果たしつつある有為の人材もいますが、全体のトーンとして政治家の価値の低下は否めない事実だと思われるからです▲これについて、私は経験者の立場から、かねてひとつの持論があります。それは、国会の委員会での質疑を点検し、吟味する機関を作ることです。今一般人が家庭で、国会の審議を見ようとしても、全閣僚が出席する予算委員会の総括質疑か、大きな問題が浮上した時の集中審議くらいしかNHKテレビでは中継してくれません。インターネットでは国会質疑の状況を見ることができますが、中々これを常に追うことは、よほどの暇人か好事家でないと、無理でしょう。しかし、この質疑の一部始終について、仮にあれこれチェックする機関が存在して、世に提供してくれれば、政治家を巡る状況は一変すると思います。みんな緊張するからです▲今でも一部の新聞社が、時々の質疑の中から、注目されるものをピックアップして、紙面化しています。これは極めて大事な試みだと私は高く評価するのですが、ほんの時たまだけしか目にすることが出来ません。現状ではビリッとも変わりません。これが常時行われるようになれば、きっと変化が起こると思うのです。ただ、質疑状況を流すことも、議事録を公開することも大事ですが、それに何らかの評価を加えるのです。その仕組み作りに英知を結集することは決して無駄ではないと思います▲いったい、どういう基準で評価するのだ、恣意的になってしまわないかーなどという疑問、批判が出てくるのは当然です。しかし、難しいからしないというのでは、ことは何も進まず、現状のようにいい加減な国会議員がのさばる事態も改善されません。私は議員時代に自分が懸命に質問をしてもうまくいかず、自己嫌悪にしばしば陥ったものでした。常にそれが人の評価に晒されるということになると、恐らく緊張のため神経がやられたかもしれません。しかし自分が辞めた今となっては、それくらい政治家を緊張させ、苦しめないと、日本の政治は向上しないと思うのです。(2021-5-4 見出し修正5-9)

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