●思い残すことのない3年間の自治会長
自治会長になって3年。2年の任期を1年オーバーしたこともあり、この年には交替せねばと思って新しい年を迎えました。しかし、肝心の後任の人が見つからず、困りました。就任以来、青年部結成、地域新聞の発刊、地域内に住む有為の人材による講演会、餅つき大会の開催、ミニ・バス旅行など次々と新しい試みに挑戦してきました。しかし、いつまでもやるわけにいきません。こんな楽しい仕事を独占してはいけないーこれが半ば正直な思いだったからです。
自治会内には4つのエリアがあり、会長職をはじめ、副会長、会計など基本的に2年任期で、順次エリアごとに候補を選び、回してきた伝統があります。既に副会長をしていただいてきた、町内で長年着物商を営むYさんに最終的に目を付けました。ご近所のご婦人たちの人気は抜群。商売柄、女性の気持ちを掴むのは圧倒的に上手いのです。加えて、男性との付き合いも巧みとくればいうことはありません。もちろん、仕事を始めあれこれと理由を挙げて渋られたのですが、日参して、拝み倒しました。代わって私は相談役に就きました。
●ブログに「テロ」「憲法」論考を次々と書く
一方、この年の春は、ほとばしる思いを刻み込むようにブログに次々と論考を書いて、それをまとめて、「安保研リポート」に寄稿していきました。その代表的なものが『テロとの戦いは終わらない』(2月27日号)と、『憲法9条をめぐる改正試案』(4月11日号)です。『テロ』については、2001年9-11の米国同時多発テロをきっかけに、私が議員時代に一番考えさせられたテーマでした。「新しい戦争」と命名する論者もいて、喧しい議論と対策が話題になりました。17年も経って、私がこれを取り上げてみようと思ったのは、トランプ大統領の登場でした。
「前門の核、後門のテロ」との見出しで書き始め、新冷戦の時代を経て世界は大混乱に入ったとの認識を披歴。その遠因を現代文明が羅針盤を見失っているからだと、位置付け。そして結論は、創価学会の池田大作先生がこの1月26日に発表された43回目のSGI提言に求めたのです。「安保研リポート」には、様々な考え方の専門家が寄稿しているだけに、綿密な注意を払いながら、「創価の思想」を滲ませることをも心がけています。
一方、憲法改正試案特集号は、9人の同研究会所属メンバーが私論を競い合うものでした。私は「領域保全に限定した自衛隊ー憲法9条加憲についての私案」と題した論考を書きました。既に前年3月に『加憲と改憲のあいだ』との論考を公表しており、それをあらためて整理し直したものです。当時、安倍晋三首相が自衛隊の存在を9条2項に明記する案を示していました。私は我が狙い当たる、との思いで、この論考を読んで貰えば、その背景がわかるはず、と力を込めて書いたのです。
●慶大仲間との50年前の信州旅を再現
この年のゴールデンウイークは、信州鬼押し出しから、上高地を経て、飛騨高山への二泊三日(4-30〜5-2)の旅をしました。メンバーは慶大44年卒の5人。その昔一緒に信仰を深めあった仲間です。実は50年前に同じメンバー(全部で9人。今回不参加者は4人)で、ほぼ同じコースを回って(飛騨高山は今回初)いました。卒業を控えた前年に、記念の旅をしたのですが、それを再現しようとの試みでした。池田先生のもとに集い、激励を受けた大学会一期生です。先生のもと、この仲間あったればこそ、今の自分があると確信する私の発想による旅の再現でした。忙しい5人が集まっての懐かしい旅が出来たことに、心から感謝する思いでいっぱいでした。(2021-8-11)