●観光庁との打ち合わせ後、徳島へ
11月30日に上京する機会を作り、観光庁の地域振興課長らと、観光人材育成に向けての実務者協議を行いました。当方からの参加者は、地域おこしのプロ・勝瀬典雄さんと、鈴鹿剛(徳島商)、大日向樹(岩倉高)という実業高校での「観光人材育成」に取り組む二人の教師です。この協議で驚いたのは、徳島商の校内模擬会社COM COMのメンバー二人(女子高生)が、カンボジアとの交流活動の一端をプレゼンとして披露してくれたこと。それによると、この模擬会社は、カンボジア・日本友好学園と連携協定を結び、椰子砂糖の商品開発やカッシュナッツの加工輸入化などに取り組んでいるといいます。業務的には、NPO法人・雪花菜工房(東丸慎太郎代表=同商OB)が介在して進めているのですが、高校生たちも現地に飛び、それなりの役割を果たしているというのです。
翌日は、空路、徳島に移動。地域おこしの対象にしている美波町に入りました。途中、「地域活性化伝道師」の異名を持つ榎田竜路(アースボイス代表・北京電影学院客員教授)や、北海道士幌高校の教頭らと合流。現地で、森林の中での遊びの空間やログハウス作りのモデル地を見学しました。ここでは美波地域活性化協議会の鈴木健宏代表らが対応してくれました。この日はまさに同地域へのアプローチの集大成場面となり、大いに満足出来る結果となりました。
実はこの日、奈良県の吉野高の教諭と生徒も徳島に来ており、夜は合流して意見交換をすることになったのです。生徒は生徒同士、大人は大人同士でしたが、個性豊かでパワー漲る吉野高の教師たち4人に感銘を受けました。
●徳島商と吉野高の交流を見る
翌朝は、吉野高生たちと共に徳島商に足を運び、高校生たちの課外授業風景を見学しました。腹式呼吸の実践に始まり、発声練習や、プレゼンの具体的展開など実に見事な活動ぶりには目を見張るばかりでした。私は、別れ際に、高校生たちがカンボジアとの交流に取り組むことの重要性に言及。かつて、かの国が内戦で疲弊しきっていた時に、日本がPKO(国連平和維持活動)に初めて手を染め、応援した経緯を述べ、激励としました。
あれから、ほぼ30年が経った今、日本の高校生たちが国境を越えた地域おこし活動に手を差し伸べることは大いに意義深いと。地域活性化、観光振興に向けて、高校生たちが積極的に汗を流す姿は極めて頼もしく、もっと世間に宣揚されるべきだと思ったものです。
●吉野高校にも足運ぶ
一転、今度は12月18日に奈良県吉野町に行きました。榎田竜路さんの吉野高校生たちへの指導の現場を見せて貰うためです。吉野町はいうまでもなく木材の町であり、中世の雰囲気を今に湛える歴史感溢れる町です。そうした個性豊かな地域をどう世に知らせるか、榎田さんお得意の〝映像による見せ方〟の訓練の実地風景を見学させて貰いました。
この訪問には、旧知の地元紙の記者であった女性(奈良県在住)にも同行して貰いました。この人はかつて、流通科学大学准教授だったZ氏の教え子。同氏が衆議院選に出た時に秘書兼事務員兼運動員として八面六臂の活躍をしたのを、私はつぶさに見ました。ただものでない彼女のパワーに感動、折角の機会だからと思い、榎田氏に引き合わせることにしたのです。こうした有能な若者と、才能溢れる有為の指導者との出会いの場を積極的に作ることも、私の大いなる喜びです。(2021-8-29)