【1】人に会い話を聞くことから全ては始まるー『新・人間革命』第1巻「旭日」から考える/4-16

◆人の顔と出会いについて

力道山にそっくりですねー山本伸一は、ハワイで出会ったヒロト・ヒラタとの出会いの場面(51頁)で、彼がプロレスラーの力道山に似ている、と記しています。先生が瞬時に相手の顔の特徴を捉えて、他の誰かに似ていると語られることは、それなりに知られています。実は私も初めての池田先生との出会いの時(昭和43年4月26日)に、経験しました。当時有名なボーカルグループ「ダークダックス」のゾウさん(遠山一)に似ていると言われたのです。〈似ているのはメガネだけで、顔の輪郭はむしろゲタさん(喜早哲)に似ていると、私自身は密かに思ったものですが〉このくだりに出くわして、懐かしい我が原点の出会いを思い起こすと共に、先生が数限りない人に会われる中で、相手を覚えるための努力をされているに違いないことを感じました。

◆体当たりで悩みを聞くこと

山本伸一が会長に就任、世界広布の第一歩となるハワイ訪問から、この章は始まります。そこで出会った人々ひとりひとりに懸命の対話をされているのです。自身の境涯を変えるにはどうしたらいいか。亡くなった父母の成仏のこと。日本に帰りたい思いとの葛藤ー庶民大衆の赤裸々な悩みを聞き続け、それに対する適切なアドバイスをするーある意味でごく平凡な試みの中に、大事な人生の全てが包含されている、ということを実感する思いです。

「みんなのために悩み、祈り、戦ってること自体、既に自分の境涯を乗り越え、偉大な人間革命の突破口を開いている」(76頁)ー自分のためばかり、身近なことにのみかかずらわってるだけではいけない。もちろんそれも必要だが、それを乗り越えて、人のために、もっと大きいことのために悩むことの大事さ。これを感じます。「世界広布の第一ページを開いたハワイ訪問は、わずか30数時間の滞在だった。しかし、ここに人類の歴史に新しい夜明けを告げる、旭日が登ったのである」(78頁)ーこの先生の壮大な大確信について行こう、この道に全てを賭けるんだ、との思いを若き日に抱きました。今もなお当時と同じ熱量で燃え続けているかどうか。自省し自らを奮い立たせる日々です。

◆大先輩たちの言動に思うこと

「新・人間革命」第一巻で描かれる旅には、十条潔、清原カツ、山平忠平、秋月英介の名前で登場される、それぞれ北条浩、柏原ヤス、小平芳平、秋谷栄之助といった私自身直接お世話になった大先輩が随行されており、様々な行動が描かれています。一方、「怒りっぽい性格」の石川幸男の心ない言動にも触れています。我が身自体の分身の発言や振る舞いではないかと、身を細くし心苦しい思いでページを繰りました。

以下、各章に様々な人の実体験が語られ、組織活動、座談会のあり方、個人指導の姿勢などから始まり、時々の政治、経済課題、社会現象の受け止め方やら、世界の知識人、文化人、政治家との語らいを通じての人物観など、ありとあらゆることが描かれています。これをどう掴み取るか。独自のアプローチでひとつひとつ味わうぞ、そしてそれを書き残すぞと私はいま大いに意気込んでいるのです。(2021-4-13 一部修正4-16)

※なお、文中、山本伸一と池田先生を便宜上、使い分けて表現していますことご了承ください。

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