【4】アフリカの未来に希望をー『新・人間革命』第1巻「慈光」から考える/4-30

●21世紀はアフリカの世紀に

山本伸一一行は、昭和35年(1960年)10月14日に国連本部を訪問。第15回国連総会が開催されている最中に見学をします。この時の総会は、独立を果たしたアフリカの16カ国が揃って初の参加をしていました。また、U2型機のスパイ飛行に端を発して、世界における東西の亀裂が深まるなかでもありました。ソ連のフルシチョフ首相が25日間にわたる国連滞在を終えて、帰国の途についた翌日に、一行は委員会、本会議の議事を傍聴します。その時の模様と感慨が次のように表現されています。

独立して間もないアフリカ諸国の代表の表情が、生き生きとしているのが印象的だった。植民地として統治されてきたアフリカ諸国には、政治、経済、教育、人権問題など、あらゆる課題が山積していた。しかし、リーダーの多くは若々しく、誇りと清新な活力に満ちている。大国の老いたる指導者に見られがちな傲慢さも、狡猾さもなかった。伸一は、アフリカの未来に希望を感じた。そこに新しい時代の潮流が始まると見た。彼は秋月英介に言った。「二十一世紀は必ずアフリカの世紀になるよ。その若木の成長を、世界はあらゆる面から支援していくべきだ」彼の目は、遠い未来に注がれていた。

山本伸一の目はこのようにアフリカに注がれています。このあと、『新・人間革命』では、10巻(新航路の章221頁=1965年)にナイジェリアの女性がアフリカ支部長に任命される場面が登場します。と共に、21巻にはガーナに聖教新聞の特派員として南記者が派遣されるくだりが出てきます。山本伸一が国連総会で見たアフリカ諸国の初登場から60年余が経ち、21世紀の幕開けが始まって20年。いよいよこれからがアフリカの世紀の本番だと思われます。

●アフリカとの個人的関わり

この時から5年後、昭和40年に慶應大学入学と同時に私は創価学会に入会しました。そしてさらに3年が経った頃に、大学内の仲間たちと一緒に、「南北問題について」と題した研究論文をまとめ、池田先生のもとに提出しました。内容は南北格差の実態を憂えると共に、北から南への早急な援助拡大を強調するものでした。後に外務省に入った経済学部の遠藤乙彦君や、滋賀大経済学部の教授になったO君らが中心になってまとめたものと記憶しています。

私の当時のクラス担当が「アフリカ論」で有名な小田英郎先生でした。私よりちょうど一回り上の新進気鋭の教授で、今日に至るまで公私共に色々と交流を深める中でお世話になった方でした。なお、今国土交通大臣を務めている赤羽一嘉君が小田ゼミ生になるのは、この時より13年ほど後のことです。慶大卒の二人の議員が共に「アフリカ論」の小田先生の教え子というのは、面白いご縁だといえましょう。

実は、私には幻の「アフリカ訪問」があります。1994年にジェノサイドが起こり、世界中の注目を浴びたルワンダへ行かないかという話が議員間に起こったのです。当選してからまだ一年ほどの一期生でしたので気後れしたこともあり、先輩に譲りました。この国では『ルワンダの涙』『ホテル・ルワンダ』など話題を呼んだ映画も作られています。虐殺の時代から30年を経て、今では安定した国になっているようなのは嬉しいことですが、行っておけばよかったとの気持ちもちょっぴりあります。

●中国のアフリカ進出とこれから

アフリカの今といえば、最も注目されているのが中国の進出です。日本でこの問題が論議の対象になる際には、否定的側面で語られることが専らです。その最大の理由はこの国の体制が民主主義を根本にせず、共産主義のもとにあるからでしょう。ただ、欧米先進国家はのきなみ「民主」であるがゆえに、ものごとの決定のスピードに齟齬をきたして苦悩しているのは周知の通りです。〝一党独裁国家〟中国の後塵を拝すことが目立ってきているのは皮肉なことといえましょう。

「一帯一路」構想を始めとする、中国の世界戦略が21世紀の地球上の最大の関心事であるのと同時に、アフリカの動向が気になります。ここで私たちが気付かねばならないのは、アフリカと一括して捉えることでいいのかという問題です。大陸名であって、国名ではありません。未来において、アフリカを構成する各国の自己主張が大きく展開するはず。中国との関係もそこがポイントで、一括りしようとすることは出来ず、しようとすれば反発は必至です。

中国の民主化の進展という人類史上特筆される課題の動向とも関係しますが、どの国がアフリカ大陸に手を出すかどうかもさることながら、この地からのリーダーの輩出如何が極めて重要だと思われます。アフリカ大陸に創価学会の支部長が誕生して56年。当時はナイジェリアに34人のメンバーがいたとのこと。その後の推移は詳らかではありませんが、きっと大きく飛躍しているはず。SGIの発展が同大陸の各国各地域での興隆に繋がり、それぞれの地元社会地域で実を結ぶ日は遠くないものと確信します。(2021-4-30)

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