【87】いつも見守ってくれてる存在──小説『新・人間革命』第22巻「波濤」の章から考える/9-20

  1. ●七つの海の波濤を越える物語の数々

   創価学会には沢山の人材育成グループがありますが、「波濤会」は、外国航路の船員たちの集いで、1966年(昭和41年)暮れに結成前夜の兆しがあり、5年後の1971年に結成されます。ここでは、1975年(昭和50年)8月の夏季講習会に第5回大会が開かれるまでの様々な動きやら、それ以降の各地の写真展に至るまでの感動的な様子が語られていきます。伸一の激励とそれに応えんとするメンバーの心意気が胸を打ちます。(204-264頁)

   波濤会が誕生してから、伸一が初めてメンバーの代表と会ったのは、結成大会の翌年1972年4月の兵庫県同志の記念撮影会の席上でのこと。その場で結成された三大学会に、波濤会の代表7人が加わっていました。神戸商船大学寮歌〝白波寄する〟の合唱に耳を傾け、じっと視線を注ぎながら、心でこう語りかけます。

 〝みんな、半年、一年と、船の中で孤軍奮闘する日々が待っているだろう。しかし、決して負けないでほしい。君たちには私がいるんだ!いつも、じっと見守っているぞ。凛々しく、胸を張って、威風堂々と歌った、この光景を絶対に忘れないでほしい〟──激励の言葉をかけた後に、次の様に記されています。

 【短いやりとりであったが、伸一は彼らと師弟の原点をつくろうと、真剣であった。原点があれば、心は揺れない。何があっても、そこに返れば、新しい力が湧く。原点を持つならば、行き詰まりはない。】(222頁)

  波濤会の原点が神戸にあると知ったのは、このくだりを聖教新聞紙上で読んだ頃ですが、その時から約13年。今年5月に、波濤会の写真展が神戸港埠頭であり、私は大学同期の友人を連れて初めて見に行きました。白い制服に身を包んだ波濤会員が丁寧に写真の説明をしてくれたものです。偶々そこに、近くの民放ラジオ局に勤める友人が通りかかったのです。驚きながら、〝波濤の語らい〟を。楽しいひと時になりました。

●女子部学生局の集いでの渾身の指導

 1975年9月9日、女子部学生局のメンバーの集いに伸一は姿を現し、激励をします。そこでは開目抄の一節『詮ずるところは天も捨てたまえ諸難にもあえ身命を期とせん』(御書232頁)を引いて、いざというときに信心を捨ててしまってはならないことを強調したのです。(267頁)

 「大聖人は『開目抄』で、さらに『善に付け悪につけ法華経をすつるは地獄の業なるべし』(御書232頁)と仰せになっている。いかなる理由があろうが、信心を捨てれば敗北です。不幸です。地獄のような、厳しい苦悩の生命に堕ちていく」と力説し、御本尊を信じ切っていく中に幸福の大道があり、広宣流布の大願に生き抜いて行ってほしいと訴えます。

 ここでの「いかなる理由があろうが」の一句は本当に大事だと思います。私も信心して57年半。色んなことがありました。生きるか死ぬかの崖っぷちも一度ならずあり、坂道を転びそうにならなかったというとウソになります。その都度、原点の日(師と初の出会いの4-26)を思い起こし、奥歯をくいしばって耐えたものです。

 更にこの時のスピーチで、伸一が夜の会合の終了時間を8時半とする提案をしていることが注目されます。会合が早く終われば、家で勉強もできるし、早く休める、帰宅が遅くなれば、両親も心配するし、事件や事故に巻き込まれないとも限らない、と。

 若い男子青年の場合、ややもすれば遅くまでの会合が続くことが多かったことを思い出します。この『8-30運動』がどんなに有難いことだったか。本当にわかるのは相当時間が経ってからですが、革命的な提案でした。今は、コロナ禍のせいで、リアルの会合も少なく、リモート全盛の時代です。隔世の感が強くします。

●人材を見つけるということについて

 次に、7月始めの女子部首脳との懇談会での模様が印象的です。人材育成グループの人選の仕方について問われた伸一はあらゆる角度からアドバイスをしていきますが、私は次の所が目に止まりました。(283-284頁)

 「人材を見つけるということは、自分の眼、境涯が試されることでもある。たとえば、地上から大山を見上げても、その高さはよくわからない。しかし、高いところから見れば、よくわかる。同じように、自分に、人材を見極める目がなく、境涯が低ければ、相手のすばらしさを見抜くことができない。だから、自分を見つめ、唱題し、境涯を高めていくことだ」

 【人材を見つけようとすることは、人の長所を見抜く力を磨くことだ。それには、自身の慢心を打ち破り。万人から学ぼうとする、謙虚な心がなければならない。まさに人間革命の戦いであるといってよい】

 若い日に寝ても覚めても人材発掘に汗を流し、真剣に悩み祈ったことがあります。今はどうすれば、公明党の中に人材群を築けるかを悩み考え、闘っています。(2022-9-20)

 

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