「ロス」社会の時代をどう生き抜くかーAKR兵庫支部でのミニ講演から(上)

神戸市東灘区にある甲南食彩館の会議室で、AKR兵庫支部(オール小売連合)のメンバーを前に、10日の午後、懇談的に話す機会がありました。以下それをもとに大幅に付け加えたものを記します。

失われた30年と食品ロス

今の30歳代半ばから40歳代半ばの皆さんはーちょうど私の娘の世代ですがー「ロストジェネレーション」と云われます。これはバブル崩壊後の「就職氷河期」に新卒採用のレールから外れ、安定した職場につけなかった人たちのことを指します。先日新聞を見ていますと、安倍政権の諮問会議は、先にこの世代を「人生再設計第一世代」と呼び、職業訓練などの支援策をまとめたといいますが、「失政の責任を個人に押し付けている」として、評判は良くないようです。

確かに、この30年の平成時代は、「失われた10年」から始まって、20年そして今や30年と、まるまる失敗した期間だと捉えられています。ちょうど同じ時期を政治家として過ごしてきた私としては反省するところ大なるものがあります。今日お集まりの皆さんは食品を消費者に提供する小売市場の最前線で働いておられるわけですが、そこでも「食品ロス」が今大きな社会問題になっています。食品と人間とを一緒にするな、と怒られそうですが、意外に関係しているとの話をしてみたいと思います。

「日本社会40年転換説」の迫真性

まず、私たちが生きている時代は、どういう流れの結果として今があるかを考えましょう。ここでは「日本社会40年転換説」なる一つの仮説を参考にします。これは、明治維新から約150年間の時の流れをほぼ40年づつに分けると、見事に興隆と下降とが、山頂型と谷底型として交互に表れてくるのです。維新から40年後に、明治日本は日露戦争に勝利して国力の増大ぶりをアジアに、世界に宣揚します。富国強兵政策の所産としてです。しかし、その後もその政策を続けた結果、40年後には無惨にも一国滅亡の憂き目に合ってしまいます。1945年のアジア太平洋戦争の敗戦という結果です。全てを失ってしまいました。

さて、それからの日本は軍事力を必要以上に持つことはやめ、それはアメリカに任せて、自国はひたすら経済の分野に邁進する方途を選択します。高度経済至上主義です。その結果、ほぼ40年後には世界第2位の経済大国にのし上がり、バブル絶頂の時を迎えます。しかし、それもつかの間、バブルは崩壊して今や経済においても中国に追い抜かれ、下降線を辿る一方です。この分だと、2025年ごろの少子高齢化のピークと云われる頃までその流れは続きそうです。つまり、経済至上主義を続けた結果、前半40年は良かったが、後半40年は真逆になってしまったというわけです。

さてどうするか。こういう仮説に立つとすると、あと6年ほど指をくわえて、落ちゆく先を呆然と見てるしかないのでしょうか。この流れを変えるには、今までと全く違った価値観を持って、国も個人も新たに立ち向かうしかないと云えると思います。自公政権は、「一億総活躍社会」なるものを掲げる一方、「人生再設計」を呼びかけています。私はこの方向は間違っていないと思います。(2019-6-12)

 

 

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