⚫︎一体感へ全てはこれから始まる
少数与党の苦しみから逃れたいために、高市首相は数多の反対の声を押し切って衆院解散に踏み切りました。その奇襲に対抗するために、立憲民主党と公明党は新党「中道」の結成に急拵えで踏み切りました。その経緯は前回に見た通りですが、要するに余りにも準備時間が短かかったために、新党「中道」は、解散時172議席から49議席に激減してしまったのです。問題はこれからです。少なくとも1040万人を超える人々が「中道」と書いてくれたのですから、この人たちのためにも期待に応えてくれねばなりません。
選挙結果を踏まえて、善意も悪意も入り乱れて様々な角度からの意見が出回り、それに伴って色んな噂も横行しています。「中道」のこれからをめぐっては、空中分解説から参議院、地方議会も含めて合流する完全合体説まで幾つかあります。13、14日に代表選挙が実施されるとのことですから、一歩前に進むことは確かです。当面気になる不協和音は、比例名簿の搭載順を巡って、公明が優遇され過ぎていて立民側にわだかまりがあるというものです。例えば神戸新聞10日付けでは、兵庫の9人の立憲出身候補からそんな声があるかのように報じられています。
人間のことゆえ、全くないというとウソになるでしょう。しかし、兵庫の9人は選挙戦を通じて創価学会、公明党関係者の温かい支援を肌身に感じた、貴重な嬉しい経験だったと口を揃えて述懐しているとの話も当事者から直接聞きました。公明党支持者の側にも自民党候補との20年を越える関係は相当程度培われており、そう簡単に手のひら返すようなわけにはいかなかったはずです。かくいう私も家族含め中道にそれぞれ一票投じましたが、ー苦労しました。
⚫︎異文化育ちの違いを乗り越えて
両党の議員たちが政治家として、育ってきた世界の文化の違いも多々あろうかと思います。比例区の惜敗率復活は公明党は一切とってきませんでした。「小選挙区で落ちたら終わり」との厳格な規律を貫いてきたのです。また、議員定年制も多少の例外はあるにせよ、公明党独自のものです。また、私の現役時代には「株式投資」も不文律ながら御法度でした。不労所得の最たるものとして忌むべきものと、個人的には捉えていました。おまけにゴルフにも近寄りがたいものを感じていました。この辺りはお前が堅物だからと言われそうですが、〝贅沢を避ける縛り〟が身についてしまっているのです。
また、公明党の人間は濃淡はあれ日蓮仏法の信奉者です。党創立者・池田大作先生の思想を人間存在の根底に帯しています。困難な事態に直面するとお題目をご本尊に唱えることで乗り切ることが出来ると体験を通じて固く信じているのです。先日NHKの「こころの時代」で、宗教者が先の大戦での国家神道による圧力とどう闘ったかという興味深い番組が放映されていました。教育者であり人文地理学者だった創価学会初代会長・牧口常三郎先生への不当逮捕・獄死という歴史的事実がまざまざと思い起こされました。後継に位置する者として大いなる誇りが沸々と蘇ってきたものです。
⚫︎国民的大論争を盛大に巻き起こし課題解決へ
さてこれから国会で高市政権との論戦が始まります。「立民」は国民民主党との間でずっと引き摺ってきた課題を公明との新党作りに際して思い切って乗り越えたとされています。安保や原発をめぐる論争や憲法についての捉え方などを始め気になることは少なくないはずです。早急に党をあげて始末をつける必要があります。その際に参院との調整が極めて重要です。参院は自維与党で120議席。立公両党で60議席強と2対1です。この関係が大事で、衆院の「中道」との連携が見ものです。
衆院では自民と維新で4分の3の議席を占めました。参院では自維与党で過半数に4議席ほど足りません。このねじれ状況の中で国会がどう動くか。国民注視の中での舞台展開です。公明党の人間は党創立者から「派閥を作るな、作ったら党は解散だ」と戒められたと、草創期の先輩から聞かされました。このたびそれとは違う論理で衆院公明党は解散しましたが、派閥にまつわる習性は残っているはず。衆院中道と参院公明は党は異なっても、それこそ「異体同心」の気概で日本政治の舞台回しの主役だとの意気込みで頑張って欲しいものです。
拙著『77年の興亡』(2022年)及びその続編(2023年)で、私は日本が抱える政治諸課題をめぐって国民的大論争を起こそうと問題提起しました。その過程で公明党に代わって「維新」が政権与党に入ることを是とする予測も行いました。それはなぜか。憲法をめぐる基本的考え方が違う勢力が与党を構成していては、国民世論に誤ったメッセージを送りかねないからでした。その予測が的中したいまこそ、国民的大論争の号砲がやっと鳴ったと思っています。これは、衆院選で新党「中道」に一票を投じていただいた1040万人超える皆さんへの呼びかけでもあります。(2026-2-11)

