学者と政治家の憲法をめぐるささいな喧嘩

日本も集団的自衛権を行使できるようにすべきだとの主張をしている学者は少なくありません。その急先鋒は安保法制懇座長代理の北岡伸一氏でしょう。さながらこの問題における広報部長の感がします。彼とは、私が現役時代の最後の頃に読売新聞主催の憲法座談会(12・4・23)で座を共にしました。そこでちょっとした口喧嘩をしたのです。もう時効でしょうから告白します▲出席者は、民、自、公三党(当時は民主党政権)の政治家三人と学者二人の計5人。彼は後半の議論のなかで、「一体、いつになったら政治家は憲法改正に向けての議論を進めるのですか!いつまで経ってもやる気がない」と厳しい口調で難詰してきたのです▲「何を言ってるんですか!私たちは精一杯やってるんですよ」ー私は大きな声で言い返しました。彼の立場からすれば、遅々として進まぬ国会での憲法論議に苛立ちを抑えきれなかったのでしょう。しかし、そこに至るまでの物言いに学者特有の傲慢なものを感じた私はつい売られた喧嘩を買ってしまいました▲北岡さんは日本の国会での憲法論議を待っていたら、永久に憲法改正などできっこないとの見通しを持っているのかもしれません。確かに、その気分は分かります。憲法9条を中心とする安保論議はかつて華やかでした。残念ながら今は見る影もない。その復活が今こそ待たれているのです。(2014・3・18)

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