拉致問題で北朝鮮との間に密約との声に反論せよ

”転倒”した3人目の元首相小泉純一郎氏は、先の都知事選でピュアな細川さんを「反原発」で誘い込み、晩節を汚させた張本人。このひともまた違った意味で晩節を汚しつつある。中曽根康弘元首相とほぼ同じくらい長期にわたって総理を務め、辞めたらすぐに引退。そこまでは良かったが、原子力発電を直ちにゼロにせよとは、自民党出身の元首相とは思えぬ無責任ぶり▼小泉さんの最後の内閣で、不肖私は厚生労働副大臣を務めた。それなりに近くで人となりを見る機会もあった。答弁における語彙力の貧弱さからすると、論理的な頭を持った人とはとても思えなかったが、機転と思い切りの良さは尋常ではなかったと記憶する▼安倍氏を幹事長に抜擢した時、世間の評判の良さによほど気持ちが良かったのだろう。院内の廊下でたまたま出くわした際に、向うから私に「どうだ。いいだろう」と声をかけてきた。この人もまた、ひとなつっこいというか憎めぬ人柄と見た▼しかし、それは表面的に過ぎぬのかもしれない。異色のジャーナリスト・青山繁晴氏は、北朝鮮との間で密約を交わし、拉致問題の根源的な解決を阻んでいるのはこの人に原因があると明言してはばからない。日本外交の歴史に一大汚点を残す。これは由々しきこと。ご本人が反論をすべきだ。(2014・2・28)

削ぎ落した生き方を変えた元首相

『跡無き工夫―削ぎ落した生き方』なる本は、5年程前に細川護煕元首相が出版されたものだ。農作業の傍ら、絵を描き、書の道に取り組む「晴耕雨読」の姿があった。当時、これは文人政治家としての「跡を作る工夫ー華麗なる生き方」だ、と思った。その潔い生き方に強い憧れを抱いた▼「首相経験者は座を降りたら代議士も辞めるべるべし」が持論の私は、それを直接当のご本人に申し上げたことがある。その元首相は、「その座にいた者にしか出来ないことがあるのです」と不興気に呟かれた。そうだろう、しかし、美しくない、と思った▼安倍首相が再度の登板をして、いささか気持ちが変化した。辞めていたら今は恐らくない。やり残し感があるうちは次を狙ってボロボロになるまでやり続けるのが政治家か、と。そういえば、未だに辞めぬ二三の顔が違って見えなくもない▼細川さんの都知事選出馬は私の周りでは、「殿ご乱心を」の見方が専らで、不評だった。私はそのお顔が気になった。明らかに人相が悪く見えた。首相当時に一二度席を共にさせていただいたが、優しいいい顔をされていただけに、彼我の差は驚きだった。かくほどまでになりふり構わず彼を立ち上らせたものは何か。私には「反原発」よりも「反日常」であったかに思えてならない。(2014・2・27)

元首相の相次ぐ”転倒”に思う

同じ転倒をしたといってもソチオリンピックでのフィギアスケートフリースタイルでの浅田真央選手のそれとは天地雲泥の差がある。彼女は見事に立ち直り、自分の持てるものを全て発揮して、自己ベストを更新した。転倒した時点で、軽すぎるコメントを発信してしまい、多くの人々から呆れられた森元首相は惨めだ▼森さんとの思い出といえば、幾つかある。公明党大会にお招きした際に、舞台そでで待って頂くことになり、担当だった私が「こんなところで立たせて申し訳ありません」と言うと、「いや、学校時代の昔から立たされているのには慣れているからね」とニヤリ。また、議員宿舎食堂で私と妻とが食事を終えて出ようとしている時にバッタリと元首相と会った。「奥さん、こんなところじゃあなく、もっと良いところでご馳走してもらいなさいよ」と。軽妙洒脱というのか、軽薄洒脱というのか。まあ、憎めないひとではある▼このところ細川、小泉コンビの都知事選とか、村山富市氏の韓国での発言とか、元首相の出る杭ぶりが目立つ。この三人に共通してるのは辞め方の潔さ。これまでその一点で、私は評価してきた。しかし、此のたびの行為は大いに疑問だ。これは政治家としての転倒という他ない。(2014.2 .24)

 

8年目の早朝ランニング。転倒からの出発

▼毎日、早朝に走ることに無常の喜びを感じ出してもうどれくらいの時間が経ったろう。確か60歳になったころに、”60の手習い”ならぬ”足習い”だなどと自分で言ってたから、もう8年ほどが経つ。それこそ”桃栗3年、柿8年”ならぬ”石の上にも3年、道の上を走って8年”というところだ。村上春樹の『走ることについて語るときに僕の語ること』やマーク・ローランズの『哲学者が走る』の向うをはって、赤松正雄の「走る、走る、歩くよりも走る」なんて書こうかと思わないでもなかった。▼ブログ上で回想記ならぬ回走記をと思い立ったのが今年の始めのこと。ようやく書き出そうと思った矢先の、二月初めに風邪を引いてしまった。それまで毎朝5キロから10キロ走っていたのに、休んでしまった。それでも月半ばに治癒したので、走り出した途端、なんと転倒してしまった。両ひざを思いっきりコンクリートに打ちつけた。両手をついたので多少は衝撃は和らいだものの、その痛さといったらなかった。どういうことで倒れたのかは未だ不明だが、まあ足がもつれたに違いない。▼これまでのランニング歴では勿論初めてのこと。まったく残念このうえない。今日で5日ほどが経つが未だしくしく痛む。歩くことは平気だが、走ることは控えている。回走記の冒頭をなんと転倒から始めなければならないとは。なんとも皮肉で逆説的ではある。(14.2.22)