和田山で、但馬・丹波地域を仲間と語り合う

兵庫県北部に位置する但馬方面は早くも雪の訪れがやってきています。ただ未だ本格的な冬の季節ではなく、嵐の前の静けさならぬ豪雪前の小春日和。そんな穏やかな天候のなか、15日の午後、播但線に揺られること2時間足らず、寺前で乗り換えて和田山まで行ってきました。公明党のOB議員の仲間たちと会うためです。五つの国で出来ていると言われる兵庫県ですが、但馬は他の4地域に比べて、観光の分野では一歩先んじている趣きがあります。とりわけ、豊岡市、篠山市(来年5月からは丹波篠山市)、朝来市の三市は城崎温泉、古民家集落、天空の城など観光客を惹きつけるスポットを有しており、人気を集めています。それぞれの地域及び隣接市に住む元市議会議員3人ととお昼を食べながら、種々懇談をしましたが、なかなか楽しいひとときでした■豊岡市というと、コウノトリ、城崎温泉、円山川がすぐに思い浮かびますが、今では兵庫でも有数の外国人が訪れる地です。西日本きっての豪雪地でもあり、雪深いところでもあります。そのくせ夏場は猛烈に暑くなるという寒暖の差が激しいことでも知られます。観光、中でもインバウンド客にとっては、雪に温泉。しかも風情ある街並みが人気の秘密でしょう。昨今、急速に観光地としてのイメージアップには中貝市長の手腕によるところが大きいとの見立てで元市議と私の見立ては一致しました。観光地としての発信力には、経済界からの助っ人が本領を発揮したようです。私的には先年、日本海沿岸に広がるジオパークに魅力を感じました。尤も、これは豊岡地域だけではなく、鳥取との県境に位置する香住、浜坂地域にまで及んでおり、壮大な歴史を感じさせる風景が見ものです■朝来市は、豊岡市よりももう少し南で姫路とも近い距離関係にあります。ここは天空の城と呼ばれる竹田城跡が有名です。私が播但線に揺られて和田山に向かった時も、竹田城の最寄り駅でどっと人が降りました。ここにも先年、現役時代に事務所スタッフ連中と一緒に行きました。ご存知のように、ここは城跡といっても何もなし。ただ小高い丘が残るのみです。ですが、霧に包まれた中に浮かぶ幻想的な城の姿(ポスター写真)は夢幻のごとく、人の想像力をいやが上にも掻き立てます。一年のうちに何日見られるか、分からないのに、皆さんあわよくばと、駆けつける姿はいじらしいばかりです。これはひたすら映像力の勝負でしょう。この城跡近くに住む元議員は、地元ではあるけれどもこれだけには頼れない、とリアルな観光力発信に秘策を練ろうとしています■もう一人の元議員は、丹波市在住です。ここはつい最近、隣接する篠山市の市長が市の名称を丹波篠山市と変更したいということを争点にして、ひとたび市長職を退任し、改めて市民投票にかけた上で、市長選挙を実施し、当選。念願叶って丹波篠山市となりました。丹波市側からすると、「どうでもいいことです」といたって冷淡ですが、篠山市としては真剣です。ここは陶芸の里としても知られ、また古民家が集積した古い街並み・商店街が魅力的(ここも以前に訪れ感銘を受けました)です。もちろん篠山城もあります。近年NPO法人の活躍でDMOとしての実績をあげており、兵庫の中では大いに観光客集めに気を吐いています。丹波市からすると、山間に囲まれた同市よりも篠山地域は外に開かれた分、人の訪れに有利だとちょっぴり悔しそうでした。ともあれ但馬・丹波地域は過疎地域が多く、限界集落的な町村がひしめいています。ここいらをどうするかが一握りの観光地を宣揚するよりもより重大な課題です。私は今淡路島の観光を中心に瀬戸内海方面から近畿、中四国一帯の振興を考えていますが、日暮れて道遠しの感は否めないだけに、あれこれと刺激を受ける、いい語らいのひとときでした。(2018-12-17)

観光による地域活性化をテーマに東京から徳島へ

先月末に上京して、国会周辺で二日間動いた後、空路徳島へ。県南の美波町で地域振興をテーマに一日半、現地視察をしたり議論に参加してきました。実はこれ、観光人材に実業高校生を活用しようとの、今私が主に取り組む狙いの具体的実践です。合計三泊四日の盛りだくさんの旅だったのですが、その報告を簡単に要約します。まず、今回の旅の第一日目は、主目的からは外れた番外編。前衆議院議員の会に出てきました。これは年に二回、衆議院議長の招待で行われるもので、毎回第一部は講演会、第二部は議長公邸での懇親会となっています。今回の講演は、医師の帯津良一氏(帯津三敬病院院長)による、はちゃめちゃに面白い健康談義でした。最も印象に残っているのは、各地の講演でハグが好きと彼がいうものだからか、終了するとそれを求める女性たちが列をなす。お一人おひとりとハグをすることが最大の楽しみだというものです。また、毎夜6時半から病院にある食堂の片隅で、3人の女性たちー外科医、看護師、栄養士ーと時間差でそれぞれとお酒を酌み交わすことを習慣にしている、などといったお酒と女性にまつわる妙な話題を次々に披露。様々な識者、文化人の箴言を織り交ぜながらの、飽きさせぬお話しは実にユニークで味のあるものでした■翌日からが本番。観光庁の地域振興課長らとの観光人材育成に向けての第一回目の実務者協議。今回の旅の要です。これには、地域おこしのプロ・勝瀬典雄氏(広島県立大客員教授)、徳島商業高校の鈴鹿剛教諭、岩倉高校の大日方樹教諭らと私も参加しました。実業高校では現在、様々な形で観光人材の育成とでもいうべきものに取り組んでおり、それを活用しない手はないというのがこの協議に至る発想の原点です。この分野での現時点での政府の取り組みはいささか薄弱という他なく、即戦力としての実業高校生の活用は焦眉の急というのが私の見立てです。この日の協議には、徳島商業高校の女子生徒(校内模擬会社Com Comのメンバー)二人も特別参加。終了後に彼女たちが今取り組んでいるカンボジアとの交流活動の現状を紹介してくれました。約20分ほどの二人のプレゼン力は凄いの一言。改めて高校生パワーに魅せられました。夜は、東京在住の姫路出身者有志で構成される姫人会(きじんかい)に出席。元東京工大副学長、元厚生労働省麻薬課長、元姫路副市長、医学博士(産婦人科医)らの面々と旧交を温めました■翌朝は、空路一時間で徳島入り。美波町まで二時間ほど車を飛ばしました。途中で、「地域活性化伝道師」の異名を持つ榎田竜路氏(アースボイス代表・北京電影学院客員教授)や北海道士幌高校の杉本忠宏教頭らと合流。現地では、森林の中での遊びの空間やログハウス作りのモデル地を視察しました。ここでは美波地域活性化協議会(鈴木健宏代表)のメンバーら地域住民の皆さんが揃って対応をしてくれました。この一年あまり、NPO法人雪花菜(おから)工房との連携をとりつつ、徳島県の肝いりのもとで地域おこしに取り組んでいるところです。現地視察を終えたのちに、町役場に場所を移し、産業振興課長らの前で、勝瀬、榎田両氏の考える地域活性化策を聞きました。私も地域一帯となっての取り組みに期待を寄せる挨拶をしたしだいです。夜は、榎田氏のもう一つの「伝道師先」である奈良県吉野町から駆けつけた県立吉野高校の教諭二人や吉野町役場の木のまち推進室長らも加わっての賑やかな懇談を行いました■最終日となった翌朝は、今回徳島に集った観光人材育成の手練れの皆さんと一緒に、徳島商業高校に足を運び、高校生たちの課外授業の現状をつぶさに見せてもらいました。腹式呼吸の練習に始まり発声練習、プレゼンの具体的展開など実に見事な活動ぶりにはまさに目を見張る思いがしたものです。私は別れ際に、カンボジアとの交流に取り組むことの重要性に言及。かつてかの国が内戦で疲弊しきった姿だった時に、日本がPKO(国連平和維持活動)に手を初めて染めた経緯を簡略に述べました。あれからほぼ30年が経った今、日本の高校生たちが国境を越えた地域おこし活動に手を差し伸べることは大いに意義深い、と。以上のように、地域活性化、観光振興に向けて積極的に汗を流す高校生たちの姿は、心底から頼もしさを感じさせるものでした。世には殆ど知られていない高校生の観光現場での果たす役割について、改めて大いなる期待を抱きながら、淡路島を経て高速バスでの帰路につきました。(2018-12-7)

いま「憲法」と「消費税」をどう語るか

先日、東京で同窓会のはしごをやりました。お昼12時から三田の慶應仲通りで大学のクラス会を、そして夕刻4時からは東京駅近くで長田高の同期会を。どちらも出席人数は11人。前者にはクラス担任だった小田英郎名誉教授も例年通り参加していただきました。ちょうど一廻り上の酉年。今年85歳になられますが、驚くばかり矍鑠としておられます。後者は神戸と東京で毎月やっていて、偶々掛け持ち出来る巡り合わせになったため、東京でのものに久方ぶりで私は出席しました。大学は卒業してより明年で50年、高校は55年になります。遥けくも歩んできたものですが、これに集ってくる連中は実に皆若々しいです■高校時代の仲間N氏から「公明党はあれこれ細かなことを言いすぎないか。もっとビジョンを明確に打ち出すべきだ」ー軽減税率やプレミアム商品券など、消費税での弱者救済の諸手立てが鬱陶しく見えるようです。彼は元大手造船企業の幹部で、公明党に理解はあるものの、いつもあれこれと注文をつけてくれます。また、もう一人の元商社マンのT氏からは「公明党は憲法改正で自民党と同一歩調をとるのか」と訊いてきました。二人とも、公明党はこの国をどういう方向に持っていきたいのか見えないとも。私は、消費税上げにおける社会的弱者救済の観点の大事さを強調する一方、憲法については安倍改憲は時期尚早で、国民的議論の必要性を述べておきました。酒席でもあり意を尽くせず中途半端感は否めませんでした。ところが、ちょうどそんな折に、先週末姫路のある会合で講演を依頼されたのです。頂いた演題は「消費税10%上げと憲法9条加憲をどうするか」ードンピシャでした■憲法9条に自衛隊の存在を明記するとの発想は元を正せば私自身にもありました。長く「安全保障」に関わり、自衛隊関係者に接触する機会もあって、国の最高規範における無視が気になり続けてきたのです。公明党は領域保全・水際防御のために必要な武力を持つことは現行憲法9条1、2項が禁ずるものではないとの立場を明確にしてきました。しかし、自衛隊の位置付けがスッキリしないのは否めぬ事実です。といえど、2項を削除して軍の存在を明確にしようという考えは国民的支持を今到底得られません。従って、1、2項は触らずに3項に必要最小限の自衛力を備えることを加えることにしては、というものでした。これはいわゆる加憲の一つです。環境権やプライバシー権など今の憲法に規定がないものを加える姿勢を早くから主張してきた路線の延長線上にあるものです。ただ、それも木に木を継ぐ違和感は拭えず、幅広い支持を得るに至っていません。既に日本社会に十二分に定着する存在を、敢えて書き加えることはなかろうというのです■消費税は、社会保障に関わるうなぎのぼり的予算増と累積した財政負担の解決を図ることが狙いです。1%上げで2兆円の補填となるといいますから、今回の対応でも4兆円の収入増。焼け石に水と言わないまでも底に穴が空いた樽に水を注ぐようなもの。その一方で、庶民に対する通税感は否めないのです。このため、大衆福祉の党としての公明党が食料品など生活必需品の消費税上げ据え置きなど、軽減税率の導入は不可欠でしょう。加えて、プレミアム商品券の配布などにも食指を動かさざるをえないのです。政治は、よりまし選択です。弱者にしわ寄せするだけでは支持を持続して得られません。財政改善のために、思い切った消費税上げをしないと、結局は虻蜂取らずの憂き目をみることになりかねないとの主張は看過できないと言えるのですが、背に腹は変えられないのです。(2018-12-1)