【115】「中道」の挫折をめぐって━━公明党伊藤県代表との懇談会から/9-15

 さる11日に公明党兵庫県本部で県下のOB議員の有志30人ほどが集まって伊藤孝江兵庫県本部代表(参議院議員)を囲む懇談会を開催しました。ここでは伊藤県代表からの「中道」をめぐる経過報告と、それに対する参加した議員OBたちの受け止め方をまとめると共に、それぞれについての私の論評を加えてみます。

⚫︎立民と公明の溝は「中道結成」でも埋まらず

    冒頭に伊藤県代表から中道結成から8ヶ月間に及ぶ共闘の末に瓦解に至る流れが述べられました。以下はその要約です。

 [立憲民主党(以下立民)、公明党両党は今年1月、衆院のみ中道参加を決めたが、将来的には参議院も合流するべく、相互に努力する約束で出発した。国会内では中道、立民、公明三党で合同部会を構成して、会期中に予算、法案をめぐる審議を行ったものの、他党からの合流もなく、次第に三党間の相違が表面化していった。7月17日に合流するかどうかの結論を出そうと、協議を進めたが合意を得られなかった。立民からは8月末まで延期した上で、その間に全国キャラバンで意見を集約するのでとの申し出があった。だが、結論は、8月29日に合流は困難との報告があり、三党合意は破綻した]

 この流れを踏まえて伊藤代表は、構造的要因として①理念と根幹的政策の相違②国会活動の手法と両党の体質の相違③選挙結果をめぐる感情的対立④根深い宗教アレルギーと相互不信の4点を挙げた。このうち①については、平和安全法制の合憲判断や原発エネルギー政策をめぐって、立民が従来からの反対の主張を崩さず、結党時の5原則を反故にした②については、公明党側は、他の野党との合意形成に注力したのに対して、立民側は反対運動に固執したり、自己満足的修正案作りに終始して、他党との連携構築に失敗した③については、公明党側が小選挙区から撤退して比例区に集中した結果28議席を獲得したが、立民側は軒並み小選挙区で敗退したことから「立民は騙された」「公明だけが得をした」との不満が続出した④については、日常的な交流がないまま強行された「合流劇」で、立民側の議員や支持者層にある公明党、創価学会への無理解が解消されずに残った。

【これら4点は公明、立民の幹部はいずれもかねてからわかっていたはず。本来はそれを結党前に時間をかけて解きほぐすつもりだったのに、急な選挙戦を高市自民党に仕掛けられ、それが不可能になった。「騙した騙された」の次元ではなく、選挙前には小選挙区で立民は十分戦えるし、公明は9小選挙区から撤退して比例区一本で大丈夫だとの見通しに立っていた。選挙戦では相互支援を行った。その結果として惨敗になってしまった。その責任をあげつらうことは潔くないという他ない】

⚫︎「中道解体」への手続きと今後の対応について

 伊藤県代表から中道解体に向けての手続きと今後の活動について①公明党のみでも中道に合流する案が検討されたが、中道内の立民落選者や現職からそれでは実質的に公明のみの党になってしまうとの猛反発があり、断念した②中道に属する公明党議員28人は離党し公明党に再入党し、立民系の21人は新党を結成する③政党交付金や金銭、法的清算のために1人は残り、諸手続きが終われば解党する④衆議院では公明党と、旧立民党系の新党が「統一会派」を結成。参議院はそれぞれ立民、公明がこれまで通りそれぞれが活動する━━との報告があった。これらはメディアで既に報じられているものの、当事者から聞くとリアル感がまったく違う。

 【とくに私は「中道」をせっかく結成したのだから、参議院公明党だけでも合流すべきだと考えてきた。それくらいの決意がないと、中道を結成した意味がないと思うからだ。一時的には公明党系議員が多く見えても、近未来に選挙で勝つことでその党内議員分布も変化するはず。この反応を聞いただけで、およそ中道の旗の下に集まろうとの意識が野田佳彦氏や小川淳也、階猛氏ら極少数の幹部を除き、元々弱かったといわざるをえない。政党交付金については世の批判を招きやすい。立民側だけでなく公明側も共同責任のもとしっかり説明して欲しい】

⚫︎「中道政治」の本分をもっと語るべき

   参加した地方議員OBからは、今回の中道結成について「まったく説明のないまま進められたのは、不満である」「支部会の運営推進をもっと自由に自立した党員組織が望ましい」「創価学会員以外にもサポーター制度などを活かしていくなどもっと支持層拡大を図るべき」「労組連合との直接的関係構築などをも進めるべし」「ヤングケアラーなどの生活者目線の政策をもっと推進して中道政治の再定義に力を注ぐべき」などの意見が出された。

 【中道結集については、公明党的には政治的理念としての中道に、立民よりも馴染みがあった。それゆえに僅かな期間で立民が合流困難と決めつけることは残念な思いが強い。ただ、これで諦めるのではなくむしろこれから始まると捉えるべきだ。ゆえに、衆院で、旧立民系の新党メンバー21人と復党した旧公明系の28人が院内会派「中道」を組んで共闘することは、もう一度原点に立ち戻ってやり直す意味があると思われる。結党時のツートップだった野田、斉藤鉄夫両氏は現職を続けるのならば、前面に出て今日の事態になった結果責任を果たすべきではないか】(2026-9-15)

 

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