秋祭りの屋台をちょぴり担いだ肩の痛み

この一週間、両肩が痛い。先週の日曜日の地元の秋祭りで、屋台をほんのちょっぴりながら担いだためだ。これまでの人生で初めての経験である。今まで地域の自治会絡みのことはすべて家内に任せてきたのだが、今年からどうしても自治会副会長を引き受けざるを得なくなってしまった。粗大ごみの分別、整理など、あれこれと地域行事のお手伝いやらお世話をさせていただいているが、秋祭りでは格別の経験をさせてもらったのだ▼太鼓を叩く小さな子ども4人を含めて、屋台なるものは、およそ1000キロ、1トンはありそう。それを4、50人で担ぐ。一人当たり25キロから20キロの重みが肩にかかってくる計算だ。ところが、その人数を集めるのが年々難しいという。今年は40人を切ってしまった。一段と重くなってくる。私は担ぐ役回りではなかったが、つい見るに見かねて、飛び入りしてしまった。いやはや重かった。というより角棒が無性に痛かった。足はもつれてしまい、危うく転びかねない危険すら感じた▼一瞬、屋台が横転し大惨事になるという悪夢が頭をよぎったことも。時間にして5分間ぐらいだったが、貴重な経験をさせていただいた。若い男たちが力を合わせ屋台を担ぐのを、女や子どもや老人たちが囃すーこの他愛もない行為が持つ、浅からぬ因果関係に思いが及んだ。大げさながら、この構図が地域連帯のカギを握っているのかもしれない、とさえ。遠巻きにみているだけで、われ関せずの住民が殆どで、ごく一部の人だけが取り組む祭りの現状を変えていく必要を感じた。自ら屋台を担ぐことで、である▼昨日は、「人権を考える会」が催されるというので、小学校の体育館に足を運んだ。同じ町に住む子どものいじめを、見て見ぬふりをしていた新任の自治会副会長が、地域交流の大事さに目覚めるという短編の人権啓発映画『ヒーロー』が上映された。なんだか身につまされ、苦笑いやら涙ぐむことをも禁じ得ない作品で、印象深かった。また「公民館活動と人権とのかかわり」と題する講演も、小学校の校長を定年で辞めたあと、公民館館長をすることになったという人の体験談で、なかなか聞きごたえがあった。ヘイトスピーチが横行する現代社会を草の根から考え直すいい機会にもなった。肩の痛みが心なしか心地よく感じられてきたのはいささか不思議なことではある。(2014・10・19)

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