中身ある政策論戦に期待の姫路市長選

先に、明石市長選挙や大阪府知事、市長選についてあれこれと書きましたが、今度は地元姫路市の市長選挙です。11日の夜に姫路市市民会館で7時から「公開討論会」があったので行ってきました。青年商工会議所の主催です。元総務省の防災課長で、前の副市長・飯島よしお氏と、元東北大教授で内科医出身の清元秀康氏の対決です。800人くらい入る会場ですが、結構空席があったので、500人くらいでしょうか。当初、一問一答形式で一方的に司会者と候補者のやりとりに終わるかと懸念していましたが、案に相違して面白い論戦になりました▼これをざっくり総括すると、大相撲でいえば、大関対前頭筆頭の勝負で、下位の力士があれこれと仕掛けたのですが、通じず最後は勇み足で自滅したいうことでしょうか。花にたとえると、華やかな桜と、厳しい寒さに耐えてやっと咲いた地味な梅との対決でしょう。桜は艶やかでしたが、パッと咲いて散ってしまいました。どっちがどっちと、訊かれなくともお分りでしょう。飯島さんは、総務省出身の行政のプロです。役人あがりの生真面目さと硬さは否めません。ただ、やはり地方自治については当然ですが、通暁しています。しかも姫路に帰ってきて8年ほど、副市長をしながら、姫路の全地域を這いずり回ってきた(本人はママチャリで走り続けたと言います)強みがあります▼一方、清元さんは、香川医大を出て内科医をしていたようですが、請われて東北大に移り、中央行政にも関わられたといいます。ポスターでお見受けするところ花も実もあるいい男ぶりです。いかにも優しい上品なお医者さんという雰囲気をたたえています。震災の地・東北で懸命の活動をされてきた強かさを持っておられます。この二人の討論は聞き応えがありました。立ち上がりからの前半戦は、清元氏が個別の質問を飯島氏に投げかけ、対論を有利に運ぶかに見えました。ただ、中盤以降は、やや肩や腕に力が入りすぎ、足元がふらつき、上体は常に揺らいでいました。特に、医科大を姫路に誘致するとか、道の駅を市内に四つ作るとか、財源的裏付けのないことを口にして、飯島さんから嗜められていました▼最後は、自ら喋りすぎたとか、ペットボトルの水を殆ど飲んでしまったと口にする一方、自分が行政の現場が分かっていないことを自ら認めていました。面白くて率直な人と見受けました。双方の意見を聞いて、これはいい試みだと感心しました。司会の方もうまい運び方でした。姫路市青年商工会議所も捨てたもんじゃあない、とも。姫路市の発展のためにはこういう機会はどんどん作るべきでしょう。両者とも見識豊かです。政策にもアイデアの違い、実現に向けて手法の相違は見えても、方向はもちろん「姫路の前進」で一致しています。私は今回の選挙で、兵庫県自民党がどちらかを推薦するのではないかと思っていました。しかし、しませんでした。すれば、自公協力で、公明党はその候補を応援せざるを得ないからです。しなかったということは、中立・自主投票で、個人の判断が優先することになります。自民党及びその関係者の干渉を受けずに、それぞれが自分の理性と感性で、より姫路市長に相応しい人を選ぶ選挙になったことは、地域発展にとって好ましいことだと思います。(2019-4-12)

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