遅すぎる国会再開に、攻めの議論を期待

公明党が政権与党になって早いもので、明日でちょうど20年になります。自民党・小渕恵三総理からの要請を受けて、自民党と自由党と公明党の間で自自公政権を組んだのが事の始まりでした。以来様々の組み合わせを経て、民主党政権下で野党に舞い戻ったりした末に、今の自公政権に落ち着いています。私のように野党時代の公明党を知っている身からしますと、与党に落ち着いてしまった党には、実現力の凄さと共に、何だか物足りなさをも感じてしまいます。国土交通相を連続して五人も出し続け、厚生労働副大臣や経産副大臣などにも次々と公明党の人間が入れ替わって座る事態は、自民党との一体化が目立ちます。自民党の公明党化をもっとアピールして欲しいと思うのはおかしいでしょうか▼公明党はそれでいいのか、それとも違うのか。簡単なようでいて、結構難しい問題です。元をただすと、公明党って自民党政治を変えるために誕生したはずです。イデオロギー偏重の、庶民大衆を忘れた自社対決の不毛な政治から、政治を取り戻すためというのが立党の精神の一大看板でした。保守と革新の狭間にあって、人間そのものの寄ってたつ基盤に立脚する中道主義の政治がその理念の中核です。言い換えると、自民党政治を改革していくことこそ公明党のお家芸だと言えます。私風にそれを要約すると、かつては外から自民党を変えようとしたがうまく行かぬため、一転今度は内側から自民党政治を変えることにしたというものでした▼したがって、公明党の目指す指標は、「政治の安定」にとどまるものではなく、「政治の改革」をどこまでも追求するというのが基本スタンスだと思われます。勿論、安定あってこその政治です。いたずらに不安定な事態を引き起こすことは本意ではありません。ただ、だからといって、事なかれ主義では良いわけがありません。時に自民党を揺さぶり、震旦を寒からしめる動きがあってこその中道主義・公明党の真骨頂のはずなのです。与党の座にあるからこそ、たとえ小さな声であってもすくい上げ、それを実現化出来ます。与野党合意のための努力をすることは貴重な行為です。とはいうものの、一緒に運命共同体になってる自民党にあからさまに非を唱えたり、ここを変えたぞなどと言えるでしょうか。言えないからこそ、難しい。もはや私の主張など無い物ねだりなのでしょう▼今日から、国会が開かれます。参議院選挙が終わってからでも二ヶ月半が経っています。あまりにも長い議論の不在だったと言わざるを得ません。なぜもっと早く国会を開かなかったのか。夏休みというには学生ではあるまいし、いささか長過ぎます。先の台風で、千葉県を中心に、長期停電をもたらす悲惨な被害実態があったことは生々しい記憶です。組閣は延期をとの声が公明党にはあったはず。それがメディアを通じて聞こえなかったのは、残念なことです。これから始まる国会論戦で、せめて公明党ここにあり、と言わせるような質問を期待したいものです。あくまで攻める質問、国民大衆の側に立った質問を。

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