いま「憲法」と「消費税」をどう語るか

先日、東京で同窓会のはしごをやりました。お昼12時から三田の慶應仲通りで大学のクラス会を、そして夕刻4時からは東京駅近くで長田高の同期会を。どちらも出席人数は11人。前者にはクラス担任だった小田英郎名誉教授も例年通り参加していただきました。ちょうど一廻り上の酉年。今年85歳になられますが、驚くばかり矍鑠としておられます。後者は神戸と東京で毎月やっていて、偶々掛け持ち出来る巡り合わせになったため、東京でのものに久方ぶりで私は出席しました。大学は卒業してより明年で50年、高校は55年になります。遥けくも歩んできたものですが、これに集ってくる連中は実に皆若々しいです■高校時代の仲間N氏から「公明党はあれこれ細かなことを言いすぎないか。もっとビジョンを明確に打ち出すべきだ」ー軽減税率やプレミアム商品券など、消費税での弱者救済の諸手立てが鬱陶しく見えるようです。彼は元大手造船企業の幹部で、公明党に理解はあるものの、いつもあれこれと注文をつけてくれます。また、もう一人の元商社マンのT氏からは「公明党は憲法改正で自民党と同一歩調をとるのか」と訊いてきました。二人とも、公明党はこの国をどういう方向に持っていきたいのか見えないとも。私は、消費税上げにおける社会的弱者救済の観点の大事さを強調する一方、憲法については安倍改憲は時期尚早で、国民的議論の必要性を述べておきました。酒席でもあり意を尽くせず中途半端感は否めませんでした。ところが、ちょうどそんな折に、先週末姫路のある会合で講演を依頼されたのです。頂いた演題は「消費税10%上げと憲法9条加憲をどうするか」ードンピシャでした■憲法9条に自衛隊の存在を明記するとの発想は元を正せば私自身にもありました。長く「安全保障」に関わり、自衛隊関係者に接触する機会もあって、国の最高規範における無視が気になり続けてきたのです。公明党は領域保全・水際防御のために必要な武力を持つことは現行憲法9条1、2項が禁ずるものではないとの立場を明確にしてきました。しかし、自衛隊の位置付けがスッキリしないのは否めぬ事実です。といえど、2項を削除して軍の存在を明確にしようという考えは国民的支持を今到底得られません。従って、1、2項は触らずに3項に必要最小限の自衛力を備えることを加えることにしては、というものでした。これはいわゆる加憲の一つです。環境権やプライバシー権など今の憲法に規定がないものを加える姿勢を早くから主張してきた路線の延長線上にあるものです。ただ、それも木に木を継ぐ違和感は拭えず、幅広い支持を得るに至っていません。既に日本社会に十二分に定着する存在を、敢えて書き加えることはなかろうというのです■消費税は、社会保障に関わるうなぎのぼり的予算増と累積した財政負担の解決を図ることが狙いです。1%上げで2兆円の補填となるといいますから、今回の対応でも4兆円の収入増。焼け石に水と言わないまでも底に穴が空いた樽に水を注ぐようなもの。その一方で、庶民に対する通税感は否めないのです。このため、大衆福祉の党としての公明党が食料品など生活必需品の消費税上げ据え置きなど、軽減税率の導入は不可欠でしょう。加えて、プレミアム商品券の配布などにも食指を動かさざるをえないのです。政治は、よりまし選択です。弱者にしわ寄せするだけでは支持を持続して得られません。財政改善のために、思い切った消費税上げをしないと、結局は虻蜂取らずの憂き目をみることになりかねないとの主張は看過できないと言えるのですが、背に腹は変えられないのです。(2018-12-1)

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