憲法記念日に、安保法制討論を聞いて感じたこと

68回目の憲法記念日は、NHKの各党代表による「安全保障法制」をめぐる「政治討論会」を観て聞いて考えました。10党の代表による討論ではいつもの倍の二時間とはいえ、一人の発言時間は平均10分足らずです。これではやはり大したことは言えません。聞いていても食いたらなさが目立ちました。というよりも自公政権の側の巧みさ、したたかさが圧倒していたように思えます。与党の二人のうち、高村さんとは約20年前の私の初当選いらいあれこれと一緒させていただいた仲です。北側氏とは一緒に出馬し、向こうは当選こちらは落選したという関係です。また、司会の島田さんとも以前から交友関係があります。手綱さばきの見事さは定評のあるところですが、この日もなかなか鮮やかでした。野党側は民主・長妻、維新・江田、共産・志位と各党が誇る論客揃いでしたが、如何せんバラバラでは与党の壁を壊すには到底至らなかったといえましょう▼公明党は憲法については三原理(国民主権、基本的人権、恒久平和主義)を堅持する姿勢に変わりはなく、環境権など新しい権利については加憲の方向をとるというものです。この点9条を含め改憲を党是にうたう自民党とは大きくスタンスが違います。安全保障法制についても昨年の閣議決定から今日の他国軍への後方支援や国際平和支援法をめぐって二党間で大論争があったことは天下周知の事実です。それをテレビを観る国民の皆さんにはっきりとわからせることが大事だと私は思います。それをやると与党内の亀裂をあぶり出すことになるからと避けるというのでは、結果として公明党の本心を間違って伝えられることになることを懸念します▼3日の放映中、たった一瞬でしたが緊張が走ったと私には思えた場面がありました。司会の島田解説委員が「自公の違いがあるのだけどー」「それは最終的な法案を見なければわからない」と云った時です。こうしたテレビでの討論を与野党の対決の場とするなら、野党の大同団結が必要です。そもそも与党の二党はこの問題にかけてきた時間が圧倒的に多く野党の比ではないのです。それを補うにはそれぞれが自己主張ばかりしないで、自公の食い違いに絞って論戦を挑むべきだと思います。公明党は今回の新しい安保法制作りで「隙間ない体制整備」をしたが、新3要件で明確な歯止めをかけたし、新たに海外派遣をするにあたっては国会の例外なき事前承認を要件とした、としています。ことここに至るまでには自民党に反論や異論があったはずですから、それを明らかにすることが国民にとってもわかりやすいことにつながると思います▼NHKの特徴は悪平等というところです。300議席なんなんとする自民党とわずか数人しかいない政党と一緒にするというのはやはり無理があります。ここは、自民党対公明党の代表による二党討論とか、自民対民主、あるいは自民対維新という組み合わせがあってしかるべきでしょう。それを経たうえで「自民・公明対民主・維新」という対決でも面白いと思います。いずれにしても短い時間で云いっぱなし、聞きっぱなしでは視聴者はストレスがたまる一方です▼私は、昨年の閣議決定に至るまでの自公両党の協議も、今回の法制化についても、まとまったものだけを公表して事足れりとしないでほしいと思うのです。私が現役のころ、ノーとされていたことが、今日限定付きや歯止め付きにしても、なぜイエスとなったかについてを詳しく知りたいのです。そのためには、国民の前に全部さらけ出すことが必要です。そのことによってより一層国民の間に理解を深めることになるはずと確信するからです。(2015・5・4)

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