前回に続き「架空親子対談」で、国会開会当初における話題を取り上げてことの本質に迫りたいと思います。
★簗問題も沖縄事件も根っこは深い
息子)国会が始まったけど、やはり簗和生農相問題が一つの焦点だね。この人の表情をテレビを通じて見てると当初は辛そうだったけど、週末は吹っ切れたように明るく見えた。高市首相から〝叱責されて終わり〟ってことなの?
親父)簗大臣が発言は撤回して、世間に謝ったけど、国交省には圧力をかけるどころか、要望もしたわけではないって言ってるよね。そのくせ、予算は彼の思惑通りに各市への配分が行われている。同省の表向きの担当者はよく覚えてないといってるけど、結局は忖度したってことを意味してる。政と官の仕組みそのものが問われてくるよ。
子)野党は来週の衆院予算委員会で簗大臣の辞任を迫る一方、参院では野党が問責決議を出す構えのようだよね。だけど、仮に辞めても済むものではないよ。首相の任命責任と共に、今度は、道路を所管する国交省としての姿勢が問題になってくる。これは大きいよ。
父)テレビで公明党の赤羽元国交相が一議員が言ったから、道路の予算配分に影響が出るもんじゃない、と怒っていたけど、結果としてその議員の思惑通りに国交省側が動いたとしたら、どうなるのかね。これまで20年近く公明党の人間が国交大臣を務めた頃にはなかったことが、変わった途端に起こったってことなのか、どうか?
子)うーん。その辺は真実の姿を知りたいね。恐らく、自民党に戻って役所の綱紀が緩んだってことかなあ。沖縄の米海兵隊員が強盗殺人事件を起こした事件を聞いて、去年観た迫力満点の映画『宝島』を思い出した。あの時もっと沖縄の現実を知らないといけないって痛感したよ。同じ時期に公開された『国宝』に人気が集まり過ぎたようで、『宝島』の方は客の入りがもう一つだったようだけど。
父)確かに。沖縄が日本に復帰してから50年余。米兵が人を人とも思わないような酷い事件が相次いで起こってきた。その都度、犯罪を起こした人間の身柄拘束すら覚束ない「日米地位協定」が問題になり、米側の思うがままになってきた裁判の有り様など二国関係をどう変え改めるかが問われ続けている。
子)沖縄の人々が安心して暮らせるよう日本政府も「地位協定改定」に向けて本気になって欲しいね。新作の『東京上空300メートル』っていうドキュメンタリー映画もその不条理をあぶり出す、いい映画だっていうし。
父)聞くところによると、参議院の伊勢崎賢治元東京外語大教授が呼びかけ人になって石破茂前首相を始め公明党の中核メンバーも加わった地位協定改定のためのグループが幾たびか集まって具体的な協議を進めてるっていうよね。伊勢崎さんは6年の任期中これ一本に絞って仕事をするって言ってる。あの人、公明党から出て欲しいって思ったこともあったけどね。いい結果が出るよう期待したいよ。
★ノーベル賞をめぐる人間模様と公明党の足元
子)消費税問題は未だ入口に過ぎないけど、財源めぐる高市首相の変に自信振りかざす答弁ぶりは岡本代表がいうように却って心配になるね。この論議こそ目先のことにとらわれ過ぎないで、長い行く末を考えないといけないね。
父)岡本代表は、物価高対策で10兆円も使うのなら、一日も早く直接届けて欲しいとの意見が国民大半の声だと集約していた。また、かねて彼自身が新たな予算財源として国の資産を有効活用し、その果実を国民に還元する「ジャパン・ファンド」を提案してきたことについて、来年には「基本法」を議員立法でだすと、言い切った。
子)いいね〜。ノーベル化学賞を硤合憲三東京理科大名誉教授が受賞されたことに加えて、元ICC(国際刑事裁判所)判事などを歴任した南アフリカ出身のナバネセム・ピレイ元国連人権高等弁務官が受賞したのは嬉しいことだったね。
父)ICCっていうと、日本人の赤根智子所長に対してトランプ米政権が制裁を加える対象にしている。その上、全加盟国に脱退を求めるという圧力をかけてるっていうじゃないか。しかもトランプ大統領はノーベル平和賞を自分が貰うに相応しいと、言ったらしいね。
子)冗談も休み休み言えって、普通の人間は思うけど、ご当人は本気なんだろうかね〜?全く「異常気象」も怖いけど、トランプ大統領のような「異常人間」も怖いよ。
父)うーむ。「異常人間」と決めつけるのは憚られるけど、ブレが激しくて、何が本心かフェイクか、わからぬ側面がある。この11月の米国の中間選挙の勝利を睨んで、なりふり構わぬ姿勢は「異常」という他ない。
子)こんな相手を向こうに回して立ち向かうのは誰でも大変だけど、トランプ大統領の側にいる時の高市さんの目つき、顔つきを見てると何だか危ういなあ。
父)自公政権末期の舵取りについて、理論誌『公明』に登場した識者たちの言葉を今振り返っているんだけど、思想家の先崎彰容さんの去年8月号のインタビューが妙に印象に残っている。それは、①公明党の政治観とは、社会の陰に寄り添い、言葉にし、政治の世界に届けることだったはず②トランプ大統領のような過激な保守回帰にも懐疑的なはずで、偽善的とは全く異なる政治手法と言葉を駆使することができる政党、それが公明党だったはず③公明党は政治の世界において、人々の心が荒んでいくことを戒める政党、寛大と余裕を持った政党であるべきで、公明党の「平和主義」も、ともすれば自尊心をくすぐる類いの、根拠なきナショナリズムを諌めることにあったはず。と、「はず」をいくつも連発していた。
子)あゝ、覚えてる。親父さんがこれ読んでみろって言ってたね。「はず」の連発は、当時の公明党が違った道に行きかけてるっていう忠告だって。こんな《はず》じゃなかったって、言いたいのかなあと思ったよ。
父)あれから一年あまりが経った。新たな出発に際して、じっくり考えて、銘記したいもんだね。(2026-10-10)