与党内野党としての公明党の頑張りに期待

●75歳以上2割の窓口負担の「自公合意」に快哉

政権与党としての座につくこと20年余ー公明党の存在感はこのところ急速に脚光を浴びている様に見受けられます。注目すべき動きは二つあります。一つは、75歳以上の医療費の窓口負担を2割に引き上げるとの制度改正をめぐって、単身世帯で「年収200万円以上」にすることで合意したことです。当初は「170万円以上」とする自民党と、「240万円以上」とする公明党との間での食い違いがあり、気を揉ませた場面がありました。しかし、大ごとになる前に、双方痛み分けで折り合ったことは、喜ばしいことと思われます。

足して二で割る答えの出し様に、なんだか出来レースのように見る向きもないわけではありませんが、高齢者の生活を守るための努力として、ここは素直に受け入れたいものです。医療費の負担をめぐっては、種々の課題があります。年収ラインの線引きなどといった問題だけではなく、根本的に膨張する一方の医療費をどう抑制するかについては、知恵の限りを尽くす必要があります。新型コロナ禍という予期せぬ出来事の登場で、一層複雑で困難な解決への高次の方程式が浮上して来ているだけに、単純な問題にいつまでも拘泥しておれない背景もあるといえましょう。

与党の中での切磋琢磨があってこその公明党の存在価値があろうというものです。

●広島3区に斉藤鉄夫副代表擁立にも快哉

もう一つは、衆議院の小選挙区広島3区に公明党が斉藤鉄夫副代表を候補者として立てることを決めたことです。昨年の参議院選挙での広島選挙区で当選した河井案里氏及びその夫の河井克行氏(広島3区衆議院議員)のしでかしたことはおよそ常軌を逸しています。公職選挙法違反の罪に問われて自民党を離党していますが、同党が次回総選挙で単純に候補者を差し替えて、今度はこの人で行きますからよろしく、とは言えるはずがありません。だからといって、野党にみすみす議席を譲るわけにもいかず、ここはパートナーの公明党から出すのが一番相応しいと思われます。もちろん、一般有権者からすれば、公明党にも連帯責任が皆無といえないではないかとの声もあるでしょう。しかし、より増し選択の最たるものと思われます。

長きにわたる安倍政権におけるおかねにまつわる問題に、多くの国民有権者はうんざりしています。いわゆる「もり、かけ、さくら」の問題対応には、公明党の支持者の中から、もっと山口公明党も反自民の姿勢を明確にして欲しいとの声が専らです。特に、「さくら」については、テレビで安倍前首相と並んで山口代表の姿が映るたびに、気が気じゃない思いになります。直接関係がないとはいえ、ああいう映像を見せられると、なんらかの弁明と共に、安倍首相との差異を表明して欲しいと思うのは私だけではないと思います。

そういう意味で、広島3区に公明党が独自候補を出すことは、適切な選択だといえましょう。兵庫県では、1区と8区で自民党の支援を受けて公明党の候補が立っています。その苦労たるや筆舌に尽くし難いものがあり、自公両党の関係者の辛さもわかります。それだけに、広島自民党の岸田前政調会長の系列の皆さんの反発も理解できます。ただ、今回の不祥事は弁明の余地なく、もし、ここで公明党が声を挙げなければ、野党を利するだけでした。

ここでも公明党らしさの発揮を期待する有権者の声に応えねば存在が問われるところなのです。(2020-12-12)

 

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