【77】師走の日曜日、西宮から神戸へと、動き・聞き・語る/12-5

 昨4日、朝9時から夜10時まで、絶え間なく人に会い、聞き、語り合う楽しい懇談で充実した日を過ごしました。まず、朝は西宮江上町にある、公益財団法人『奥山保全トラスト』の本部での理事会。自然環境保護に長年取り組んでこられた大学教授、大学経営に携わられる元衆議院議員らの理事の皆さんと共に私も参加しました。お昼まで、この一年の事業展開を総括したり、内閣府に提出する文書などの点検に勤しみました。全国各地で「再生エネルギー確保」名の下に、森林破壊など乱開発が進められている現状に、早急な対応をせねばとの認識を共有したのです。静岡県浜松市の佐久間トラスト地近傍の開発計画にストップをかけるべく、今月半ばに動くとの報告があり、それを受けての国会陳情に私も協力することにしました◆その後は、一年の納めでもあることから、皆で場所を移し、昼食懇親会を阪神西宮駅そばで。そこでは新たに理事候補になった台湾出身の青年や、事務局の若者たちと卓を囲み、〝男女混在・老青一体〟の有意義なひとときになりました。この法人は『日本熊森協会』と姉妹団体。両法人ともにトップは女性で、子育て真っ最中。片や弁護士、もう一方は高校英語教諭ですが、おふたりとも幼子を連れての参加もしばしば。この日も、〝未来からの使者〟ひとりが卓の周りを這い回っていました。昭和戦前生まれを筆頭に、団塊の世代から、その第二世代まで幅広い人たちが集まったわけで、相互に刺激し合う会話が飛び交いました。若い男女青年との語らいは私にとって何よりものパワー源です◆3時からは、神戸市脇が浜海岸住宅に阪神電車で移動。春日野道駅から歩いて10分。元神戸新聞編集委員の武田良彦さんの4LDKの全ての部屋はどこもかしこも骨董品だらけ。仏像やら陶磁器などありとあらゆる珍品が所狭しと陳列されていました。実はこの人、そのむかし東京支社勤務時代に国会担当で親しくした友人。このほど『骨董病は治りません』という〝超面白本〟を出版したばかり。贈呈していただき、今読んでる最中です。たまたまこの日は、彼の自宅で年に一回開かれる芋煮会ということを知り、押しかけました。彼は山形県生まれ。珍しい同県の食材をいただきながら、集まった彼の職場の後輩たち4人の現役記者と懇談したのです。骨董については全くの門外漢ですが、この20数年彼が買い込んだ品々を背にし、横にしての〝骨董談義〟は笑いと感動の連続でした。日本文化の奥深き粋は骨董品にあり、を実感したしだいです◆夜は西明石駅で小説家の高嶋哲夫さんと6時前に待ち合わせ、川崎町の我がマンションに向かい(私は帰り)ました。我妻の姫路在住の友だちたちとの〝女子会〟のゲストとして今回彼を招いたものです。高嶋さんは、『首都感染』『メルトダウン』など現代社会をめぐる、ありとあらゆるテーマで小説を書き続ける気鋭の作家です。最近は『EV』で近未来の自動車産業の展開を追い、『落葉』でパーキンソン病患者の甦りの姿をあつく描いています。お好み焼きと焼きそばをいただきながらの、読書好きお喋り好きの女性たち3人との語らいは、あっという間の4時間でした。この夜の主たる話題は、近未来に襲ってくるはずの大地震やら、混迷続く日本政治の行方でした。別れ際に、女性たちは、1999年にサントリーミステリー大賞を受賞した『イントゥルーダー』を、高嶋さんから頂いていました。サインには「夢を叶える」と。〝13時間の連続行〟の1日を終えた私はそそくさとベッドイン、〝夢の中の人〟になりました。(2022-12-5)

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