死の宣告、地獄の沙汰から蘇った二人の友人

肝臓がんのステージ4の宣告を医師よりされた友人が死の底から蘇りました。また、もう一人の友人は、奇病や事故でこの一年半ほど、歩くこともままならぬ状態から見事に回復しました。その体験を聴く機会がありましたのでかいつまんで報告します。前者の友人は毎日新聞大阪本社記者を経て、大阪毎日ビル社長を最後にリタイアしたN氏。私とは大学で4年間同クラスでした。彼は先年暮れに大阪駅で転倒して後頭部を強打、北野病院に担ぎ込まれ一か月余り意識不明の状態が続きました。しかし、主治医の名治療の甲斐あって命冥加な彼は蘇りました。ところが、喜びもつかの間、今度は冒頭に記したような末期がんが発見されたのです▼肝臓の三分の一ほどが腫瘍に冒されている状態、その事態の深刻さを医師から告げられ、流石に剛毅な彼も驚き、覚悟をしたといいます。しばらくして身辺の整理をしました。本を片付け、おカネの出入りを仕切ったり、遺言も当然ながら書いた、と。ところが、医師から兵庫県の西播磨科学公園都市での陽子線治療を受けてみたらどうだ、といわれ、一縷の希望を抱いて入院加療に踏み切りました。巨額の費用(500万円ほど)が掛かったものの、ピンポイントで陽子線をあてる手術は成功、死の淵より蘇ったのです▼転移もなくてすっかり元通りの体に戻った彼は、もう一人の友人O氏と一緒に私と三人で先日、奈良へ元気にハイキングに行くまでになりました。実際に元気な姿を目の当たりにして心底から感激しました。巨額の費用もこのところの株価の上昇で、なんら痛手とならずにあてがうことが出来たといいます。まったく「地獄の沙汰も金次第」とはこのことかとばかりに、大笑いしたものです。おカネがなく工面できずに命を諦めるひとのことが思いやられました▼加えてO氏もこのところ、病に次々と冒されたり、思わぬ事故の連続で、大変だったのが見事に立ち直ることが出来たといいます。前立腺がんに始まり、心臓病で苦しみ、女性化乳房肥大症という奇病に悩まされたといいます。なにしろ男なのにおっぱいが大きくなり、乳房が痛むというのだから笑うにも笑えません。おまけに高いところから飛び降りた際に着地に失敗して、足首を複雑骨折してしまったのです。猛烈な痛みが手術のおかげでなくなった後も、一年余りも腫れあがった状態が引かず、松葉杖生活が続いたようです。複数の病気の上に、まともに歩けぬ不便さたるや言語に絶する苦労があったといいます。その彼もようやく治って、無事普通に歩けるようになり、3人で久方ぶりに会うことが出来ました。私も無傷、無病息災とは言えませんが、二人に比べれば未だしもましです。お互いに健康であることの大切さを痛切に感じた年の暮れでした。(2016・12・23)

Leave a Comment

Filed under 未分類

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です