「第三の道」「中道」への無理解を解くための闘い

先日姫路市内北部の夢前町の友人の紹介先を訪問した折のことです。70歳代半ばの御主人は私が挨拶のあとに公明党の話をしだすやいなや「あんたがたは選挙が近づくと頼みに来るが、普段は音沙汰がない」「政権党になったのだからせめて地域の神社のお祭りには参加すべきだ」などとまくしたてられました。言い分はいろいろありますが、そこは落着き、やんわりと一般論としてその非をお詫びするとともに、昨今は神社のお祭りにも積極的に参加していることを説明しました▼実は私は昨年から地域の自治会長を務めています。そうすると、秋祭りをめぐる一連の行事だけではなく、日頃なにやかやと神社にお参りすることが多いのです。そんな中、連合自治会の中でいわゆる祭りの神輿を担いで神社にやってこない自治会があることに気づきました。かつて同地域の創価学会の幹部の方が自治会長をされていた折に、お祭りには不参加の方針を持っておられたからというのがどうやら理由のようです。私自身にも確かにかつて神社仏閣を毛嫌いする姿勢がありました。しかし、今や私自身が自治会長として、祭りをはじめとする地域の行事に参加し、貢献しています。最近封切された映画『人生の約束』などを観ますと、いかに祭りが地域の絆を強めるものであるかを如実に物語って非常に迫力がありました。地域の絆向上と個人の信仰の深化と。問題を混同せぬよううまく折り合いをつけることの大事さを痛感します▼ところで、昨今の創価学会、公明党への批判はそうした生活次元のものは比較的なりを潜めていますが、論壇次元で注目すべき傾向が現れてきているように思われます。『現代と宗教がわかる本2016』や『愛国と信仰の構造』などに見られる誤解やら曲解です。前者は「安全保障法制に反対し、公明党の方針を危惧する創価学会員に聞く」という「緊急座談会」を掲載、20頁余りにわたって公明党が創価学会の平和の理念に反しているとの批判が展開されています。一方、後者は「創価学会が果たすべき役割」という見出しのもとに、短いながらも同様の疑問が投げかけられています▼これらに共通しているのは、安倍政権の持つ右翼ナショナリズム(宗教ナショナリズム)に創価学会、公明党が取り込まれようとしているとの認識であり、「本来の姿に立ち戻れ」という主張です。ここには安保法制に対して公明党がいかに歯止めをかけたかの事実認識が欠落しています。また、相も変らぬオールオアナッシングの政治観のみで、「第三の道」への視点、まなざしがありません。座して死を待つ平和観ではなく、現実的に戦争を阻止し、平和を招来させる”動的平和観”が欠如しているのです。55年体制的思考が今なお力を持ち、中道政治への理解が遅々として進んでいないのです。そこらあたりを変えるために更に対話を進めたいと決意しています。(2016・3・20)

富士吉田での「せんいサミット」に参加して

いにしえの昔から繊維の町として知られてきた地域がいずこも疲弊しきっています。それをなんとか打開しようとの試みが12日に、山梨県の富士吉田市ふじさんホールで開かれました。その名も「富士吉田せんいサミット」。私も参加してきました。そんな会合になんでお前が行ったのかと訝られそうですね。理由は三つほどあります。一つは、この催しを仕掛けたコンサルタント会社のアドバイザーという立場を今年から頂いているからです。要するに仕事の一環です。二つ目は、私は現役時代、繊維産業振興のための議員連盟の中心者のひとりだったのです。つまり関心がかねてあったということです。三つめは、富士山を間近に眺めてみたいという観光地への興味です▼この日のメインは、パネルディスカッション「日本の繊維産業のグローバル化にむけて」でした。日本の繊維産業を盛り上げていくための第一歩として国内繊維メーカーの優れた技術を再確認すると共に、今後のブランド化やグローバル展開の可能性についてパネリストと議論しようというもの。舞台の幕が開くと同時に驚いたのは、パネリストの多彩さです。スウェーデンから女性デザイナー3人。アフリカ系フランス人の男性一人。それぞれにスウェーデン語、フランス語通訳がつくという豪華さ。他方、日本人パネラーもパリを中心に活躍する若手デザイナー・中里唯馬さんをはじめ、国内繊維産地を代表して、富士吉田市、栃木・足利市、山形・米沢市、石川・小松地域、岩手・久慈地域から10人もの参加者が壇上に。二段に分かれてテーブルやいすが設えられていたのには目を奪われました▼この会で改めて認識したのは、日本の素材と技術力への評価の高さです。外国人デザイナーも日本の産地業者や自治体関係者も一様に語っていました。今後の展開で最も期待されるのはネットワーク化でしょう。それぞれが個別で戦うよりも横の連携を強め、お互いに繋がっていくことの大事さが強調されました。兵庫県は西脇市を中心にして播州織が有名ですが、御多分にもれず苦戦しています。ここもぜひ繋がって連携プレーをするべきだと思った次第です。この日は東日本の産地ばかりでしたが、次は西日本でも結集していきたいものです▼かつての大量生産・大量消費の時代にひと区切りがついて、個性化・差別化が進むと見られていましたが、ユニクロに代表される低価格、着易さの一大流行で結局は逆戻りの傾向が否めません。しかし、片方で高品質のブランド化も求められています。メイドイン日本で少々高くても良いものはどんどん売れるということは必ずあるものと確信します。終了後に開かれた情報交換会で、多摩美大の学生さんや地元高校生たちと会話を交わしました。漫画を入れ込んだり、デザイン性溢れる名刺を見ながら、若い世代に大いに期待したいとしきりに思いました。開会前の束の間に、新倉山浅間公園に行きました。有名な「忠霊塔」越しの富士山を観ようとしましたが、生憎の曇り空で見ることは叶いませんでした。しかし、この塔は中世や近世に作られた歴史的建造物ではなく、戦後に作られたものと知り驚きました。姫路城に平成の城下町を作ろうと提唱してきた私にとって、今からでも遅くないと意を強くしたのです。ともあれ繊維産業でも観光でも様々な意味で知恵を出し合うことの大事さを学びました。(2016・3・15)

今そこにある零細市場の危機を救うために

私の住む町の中に小さな市場があります。少し前にはあちこちにこうしたところはあったのですが、最近はすっかり姿を消しています。大型スーパーの進出で次々と店じまいをしていったのですが、うちの町内にあるこの「フレッシュ新在家」という共同組合市場は今なお頑張っています。野菜、肉、魚、お菓子、パン、総菜、クリーニング屋さんがテナントや組合員としてお店を出しているのです。入口近くにお寿司屋さんがあったのですが今は休業中であったり、借り手募集中の張り紙のあるお店跡があるなどいささか元気のない雰囲気が漂っています▼実は私が顧問をしているAKR(オール小売共栄会)は、町の中にあるこういう市場を蘇えらせるためのものです。一店だけではとても大きな企業に太刀打ちできないところを共同で立ち向かおうというものです。商品を複数の市場による共同で仕入れ、配送し、保険をも掛けあおうという素晴らしい発想による仕組みです。これこそ零細、小企業を救う手だてとして注目されます。二十年ほど前からこの団体に私は関わってきており、以前からこの「フレッシュ新在家」にも加入を勧めてきましたが、なかなか受け入れられませんでした。それがこのほど加入の意思を示してきました。それだけ事態は急を告げおり、経営実態が厳しくなっているのでしょう▼実は去年、石破茂地方創生担当大臣に会って、保険を活用して零細企業の与信能力を高めるという「AKR方式」を全国展開すべきではないかとの政策提案をしました。彼は大いに関心を持ってくれました。私が現役であるなら、AKR方式の導入推進を国会の委員会の場で迫りたいところですが、残念ながら叶いません。で、後輩たちに託しています。第一弾として先日、濱村進代議士(近畿比例ブロック選出=私の後任)に予算委員会第七分科会で取り上げてもらいました。新人らしからぬ堂々とした質問ぶりでした。さすが元野村総研出身だけのことはあります。しかし、中小企業庁は、AKRのような共同組合制度を活用する必要性の認識は示しながらも、全国の小規模事業者に周知徹底する難しさを指摘するだけで、具体的な取り組みの方途は示しませんでした▼政府は今、中小企業団体中央会や、その下部機構を通じて中小企業基盤整備機構なる組織を立ち上げ、中小企業の活性化に取り組もうとはしています。これで間に合っているだろうとの安易な姿勢が垣間見えます。しかし、その成果は殆ど挙がっていないというのが実態です。AKR方式の導入こそ起死回生の一打になるということを、過去の実例を示しながら今後も濱村氏をはじめとする後輩たちに迫っていってもらうべく求めていく所存です。(2016・3・4)