コロナウイルスの変異株「オミクロン」が異常なスピードで拡散する中、国会での予算案審議が始まっている。その中で、気になることは数多あるものの、ここではまず、発刊後1ヶ月余りが経った私の著作『77年の興亡ー価値観の対立を追って』をめぐる話題や反響を紹介させていただきたい。お読みいただいた多くのみなさんから、「これはわかりやすい。今まで自分の頭の中で未整理だったものや、漠然としか捉えられていなかったものがはっきりした。大いに勉強になった」という声を頂いたり、「参議院選挙に向けて、ぜひ友人に読んで貰いたい」と言って複数冊を購入してくださる人までが次々とおられ、感謝感激の年末年始を過ごすことが出来た◆中でも、私が現役時代にお世話になった国会付属機関のある最高幹部から昨日、長文のお手紙を頂き、身に余る称賛の感想を頂いたことは、忘れられないインパクトを受ける出来事だった。さわりの部分だけをご披露させて頂く。総論として❶実にスケールの大きな評論❷背後に膨大な読書量が随所に見られる❸公明党への忌憚のない批判と激励ーの3点を挙げ、「『赤松節』全開の快著」と持ち上げていただいた。各論として①2009年政権交代時の衆院選敗北の検証の必要性②「庶民大衆のための政治」の姿勢の堅持③沖縄に対する思いの深さ④憲法論議への提言の意味⑤「仏教の平和主義」への誤解の指摘ーに感じ入られたことが読み取れた。中道主義の視点の重要性への気付きは勿論のこと、宗教への考察の必要性や、いわゆる「中道」を巡っての維新と公明党との違いへの言及など、私自身大いに参考になる記述を頂いた◆この本は、日本近代史における二つの「77年サイクル」のうち後半における、価値観の対立を追う試みで、公明党の中道主義の登場から今に至る政治選択を具体的に検証したものである。掲げた看板は正直言って大袈裟で、中身は二つ目の「77年の興亡」についてだけ。とはいうものの、この切り口に皆さん驚かれたようだ。新年幕開けいらい、私と同じ観点から2022年の持つ意味を探った論考は二つ。一つは日経新聞の原田亮介論説主幹による「核心」欄の「成熟国家154年目の岐路」(1-10付け)。もう一つは毎日新聞のサイト・「政治プレミア」の白井聡京都精華大学専任講師の「特別な年としての2022年」(1-20号)。それぞれに興味深い中身だが、分量は短い。私のものは、一冊の本だから長い。長けりゃいいとは言わぬが、来るべき「第三の77年」における中道主義の本格的展開を待望したもので、新鮮な内容と自負している。が、その先行きは予断を許さない。これからも引き続きしっかりウオッチしていきたい◆処女作『忙中本あり』の出版(2001年)いらい、この20年余り「読書録」を書き続けた身からすると、つい自分の著作を俎上に乗せて、あれこれ料理してみたい誘惑に駆られる。色々〝著者〟の足らざるところを指摘したいのだが、それをやってしまうと、売れ行きに差し障るゆえ、控えるしかない。ビッグボスと呼んで欲しいと会見で叫び、話題を集めた日本ハムの新庄剛志新監督の「優勝なんか考えていない」とのセリフにあやかって「売れることなんか考えていない」と見栄を張りたいところだが、ここは凡人らしく多くの皆さんに買って読んで貰いたいと本音を明かす。この本、この一年、いや参院選までが勝負と決めて、大いに売り込みたい。増刷が決まって、本気でそう考えている。(2022-1-28 一部修正)