《27》自公選挙協力問題だけでは不本意ー読売新聞インタビューから/2-3

先月末に読売新聞政治部から私の本と、それにまつわる話題に関して取材依頼がありました。東京からわざわざ取材にきてくれたので、トータル6時間に及ぶ(実質は3時間ぐらい)やりとりの結果、3日付けの紙面に掲載されました。ところが、同紙の編集部の裏事情から、締切が早い版と遅い版とでは中身が結構変更になっています。そこで、ここでは双方を紹介させていただきます。まず、遅い版から。大都市はこの方が届いています。

 ●公明の「中道」回帰求める 赤松元議員が著書 党内に緩み警鐘

 元公明党衆院議員の赤松正雄氏(76)は、自公連立政権などに関する著書「77年の興亡 価値観の対立を追って」(出雲出版)を出版した。公明党が掲げる「中道主義」の理念に立ち戻って、埋没しないよう注文をつけている。

 自公連立が 20年以上続いてきたことから、赤松氏は、自民党の保守政治の中で自公の差がなくなり、中道主義が失われていると指摘。遠山清彦・元衆議院議員が貸金業法違反で在宅起訴された問題も念頭に、公明党内に緩みも出てきていると警鐘を鳴らしている。一方、赤松氏は読売新聞の取材に対し、公明が今夏の参院選で、自民との「相互推薦」による選挙協力を実施しない方針を打ち出したことについては、「本来は違う政党だ。あるべき姿に戻った」と評価した。

赤松氏は1993年衆院選で初当選し、6期務めた。党政調副会長や厚生労働副大臣などを歴任した。

   一方、早い版は次の通りです。地方都市や、大都市周辺でも交通事情の悪い地域はこちらが届いています。

●公明「中道主義もう一度」 赤松元議員 連立政権で緩み指摘

 公明党元衆議院議員の赤松正雄氏(76)は、読売新聞のインタビューに応じ、自公連立政権の現状について、「公明党が、もう一度、『中道主義』の旗を掲げ直さなければ、埋没してしまう」と注文をつけた。

 公明について、自公連立が始まった1999年から20年超が経過したことで、「自民党との差がなくなり、人間を中心に据えた価値観である中道主義が、自民党の保守政治の中で失われている」と指摘した。遠山清彦・元衆院議員が貸金業法違反で在宅起訴された問題などを踏まえ、「自公連立政権という安定の下、目に見えない部分で緩みが出てきている」と警鐘を鳴らした。

 赤松氏はこうした主張を昨年12月に出版した「77年の興亡 価値観の対立を追って」(出雲出版)で訴えた。自民との違いを明確にするため、改革姿勢を前面に打ち出すべきだと提案している。憲法改正や、財政構造、格差の解消など国家像に関わる問題にも積極的に取り組み、「小さな声を聞き、大きな声をあげる党であってほしい」とも述べた。

 一方、インタビューでは、公明が今夏の参院選で、自民との「相互推薦」による選挙協力を実施しない方針を打ち出したのは、「本来は違う政党だ。あるべき姿に戻った」と評価した。 (以下略)

●問われるべきはこの国のかたちと人類の未来

 この両記事読み比べて見ると、しみじみ、後者の方を全国に配布して欲しかったなあと思います。しかし、それこそ「後の祭り」。一部地域だけでも長い記事の方が出回っているのは、有難いと担当記者の取材と原稿に感謝の思いです。デスクから他の記事との関係から削れと厳命があって、それに対して、大分それはできないと食い下がったようですが、無理だったみたいです。そのあたり、午前4時を過ぎて私にくれたメールに「私の力不足で」と、謝ってくれていましたが、彼の人柄に打たれる思いでした。私は、むしろ、赤松正雄のネームバリューが弱いのが原因で、君のせいじゃないと言った次第です。

 そういう裏話はともあれ、私としては、この本が自公の選挙協力絡みだけで捉えられるのは不本意です。もちろん、今回の取材では自公の「相互推薦」問題の推移のタイミングからして、これしか書けなかったのは分かりますが。もっと大きな視野で本は書いたつもりです。例えば、今「新しい資本主義」をめぐる議論が岸田首相の問題提起にはじまって、国会で取り沙汰されています。これは、私からすると、今問われているのは、資本主義の行方だけではなく、消えたかに見える社会主義にも及ぶということです。資本主義も社会主義も共に、装いを新たにすべきという時代の潮流には、中道主義の再発見という問題が潜んでいます。それこそ「三たびの77年サイクル」の課題だと睨んでいます。そのあたりに着目するメディアよ出てこい、という私は気概でいるのですが。

 それとは別に、私の著作を読んで、公明党の外交安全保障政策における中道主義の具体的展開に、非常に新鮮な発見をしたと言っていただく学者がいます。近く、その視点で、ある媒体に論考を公表されるやも知れないとのこと。極めて嬉しく、待望しています。ともあれ、私はこの著作を通じて、今の日本と世界に大きな問題提起をしたつもりです。一歩も引かず次々と発信をして参る所存です。(2022-2-3)

 

 

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