【50】連立政権下の相互支援の難しさ➖参議院選を振り返って(下)/7-13

 カンカン照りが続いた選挙戦のあと、兵庫・関西地域はまるで梅雨どきに戻ったかのよう。故安倍元首相への涙雨か、日本の前途を憂える天の嘆きか。ここで、兵庫県に偏った今回の参議院選結果の「私的分析」を試みたい。メディアが「自公勝利」を言い募るごとに、そこはかとない違和感が漂う。「自民党大勝」であっても、公明党はそうではない、と。7選挙区全勝は喜べても、比例区票減はとても喜べないからだ。もちろん、自民党候補を全国各地で支援した公明党としては、自民と公明とを切り分けて見ようとすること自体が無理筋で、ここは素直に「自公連立政権の勝利」を喜ぶべきだろう。連立以前の野党時代の公明党で育った古い体質から抜けきれぬ我が身が疎ましく思われる▲選挙期間を通じて、全国一厳しいと公明党内で呼号されてきた兵庫選挙区は大激戦の末、前回より票を減らしながらも勝つことができた。党員、支持者の皆さんの涙ぐましい支援のお陰である。6年前の定数増で、前世紀以来の挑戦が再び出来る様になった。今回で3回目となる参院選は実に厳しい戦いの連続。尤も、苦しみ抜いたのはお互い様だ。連立政権下の相互支援の難しさが骨身に染みる。それにしても、維新の躍進は目を見張る。候補者自身の付加価値が大きいとはいえ、支援組織が殆ど見られないにも関わらず、浮動票を大きく集める力は脅威だ。この党の体質については兎角の噂がつきまとうものの、応援する層の思いは分かるような気がする。かつての公明党のお株を奪うような〝健全野党ぶり〟への期待であろう▲一方、立憲民主党の不振ぶりには、競い合った相手ながら驚く。実は私は選挙戦当初には同党候補を強敵と見ていた。市議、県議を経験し、二人の子育てをしているママさん候補は、我が陣営の候補にない強さを持つと見たのである。しかし、政見放送を聞いて驚いた。「あれもやります、これもやります」だけで、最大野党候補の政見にしては、重みや深みがなく、何より「挑戦者の物語」が窺えなかった。かつて「土井たか子」を生み出した「兵庫の革新層」は強かった。とはいえ、「立憲」と「共産」の選挙協力の影に怯えた者としては、えらそうなことは言えない。両党票を足してもこちらは未だ上だと、ほっと胸を撫で下ろすばかりだ。「強い野党よ、いでよ!」が、日本の政治を真に憂える人々の本音だろう。「安定」もいいけど、政権の価値が「低値安定」では嘆かわしい、と▲〝感情過多気味〟の結果分析になってしまった。ついでに、これからの日本政治、とりわけ連立政権への注文をつけたい。既に、私は「毎日プレミア」や「朝日論座」で主張したように、今日本が抱える課題について、まず自公両党が徹底的に議論して、それぞれの考え方を擦り合わせることが大事だと考える。選挙時には助け合っても、平時になると、それぞれが「自分の家に篭ってしまう」というのでは困る。「社会保障」で、「エネルギー」で、「経済政策」や「憲法」で、両党の方向性の違いを戦わせ、磨き上げて欲しい。これまでは、そうした議論が外に聞こえてこない。「平和安保法制」のケースは例外だったのか。その後は〝音無しの構え〟だ。選挙後、党首、幹事長の4者が顔合わせした際に、これから各種テーマで協議しようとの合意はなかった。私の耳には選挙戦を通じて「自公両党はこの国をどこへ持って行こうとしているのか?国家観、ビジョンが見えない」との、友人の声がこだましている。(2022-7-13 この項おわり)

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