【132】問われる「与党改革」に転じた公明党の真価/11-28

     岸田首相が目論んでいた早い段階での「衆議院解散から総選挙」というシナリオが崩れました。最大の要因は政権への支持率の低さです。それもそのはず、財務副大臣が税金滞納の常習犯であったり、法務副大臣が自分の選挙区における区長選挙に関連して違法な報酬を配ったり、などとおよそ呆れ果てる出来事が相次ぎました。その上、自民党の各派閥の政治資金収支報告の不正記載が発覚したのに、「もう訂正しました」だけで済まそうとする。こんな体たらくでは、もう何をかいわんやです◆この状況下で、野党第一党の立憲民主党の元首相・野田佳彦氏は先般の予算委質疑において、同期の岸田首相を徹底的に叩きました。おカネの問題もさることながら、普く党内に染み渡った「世襲議員の蔓延」について、ルパンでさえ3世までと、ユーモアを交えての批判ぶりには痺れた人も多かったはずです。しかし、それとて所詮は〝退役将軍〟の個人芸。とても首相退陣に追い込む力たりえません。また野党第二党の「維新」は、与党質問かと見紛うほどの穏やかな質問の連続でした。かつて公明党ならば、従来のイデオロギー過剰な対立一本槍の野党の姿勢を変えるべくメリハリの効いた野党「改革」に取り組んだものでしたが◆今与党に転じて20年(途中、民主党政権下の3年を除く)が経ちました。日本の政治が自民党一強で政権奪取の意欲なき野党という、昔ながらの「55年体制」に逆戻りしたとの風評が漂ってきています。コロナ禍からウクライナ戦争、パレスチナでの虐殺の応酬へと続く激動する国際情勢の中で、国民生活が厳しい物価高で喘いでいます。こんな時に自公政権は何をしているのかとの非難の声は高まる一方です。公明新聞では連日補正予算に盛り込まれた公明党らしいきめ細かな経済対策の解説が展開されていますが、一向にメディアではそうした動きが報じられず「減税の是非」ばかりに見え聞こえます◆公明党が与党に転じたのは、大衆が喜ぶ政治にするための変身ではなかったのか、その姿があまり見聞きされないとの愚痴も出てきます。高木陽介公明党政調会長は、28日に発信されたユーチューブでは、「公明党が提案した総合経済対策の知恵が今回の補正予算に反映されているのに、岸田首相の説明があまりに下手なために国民に伝わっていない」と嘆いていました。せっかくの公明党の「与党改革」の〝あの手この手〟をメディアが報道しないのでは確かに残念です。明年は結党60周年。その歴史の内実は、前半の30年が「野党改革」、後半は、「与党改革」の30年だったと、心底から評価してもらえるように、ここは、議員、党員一丸となって頑張る場面だと思います。(2023-11-28 一部修正)

Leave a Comment

Filed under 未分類

Comments are closed.