『135』この政治の惨状をどうする──架空の対話方式で考えてみる/12-18

 自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金疑惑が燃え上っています。ここでは、この政治不信の元凶をどう見たらいいか、これからどうすればいいかを、架空の対話形式で考えてみました。

A   政治家が人様からお金を貰ってパーティをやって、そこで得たお金の収支報告がズサンだったなんて、まったく政治家も政党も信用できないね。

O  「政治とカネ」をめぐってはむかし昔から問題になりながら、結局は解決出来ない。これでは政治不信が高まるばかりで、お先真っ暗だね。

A  首相は、党全体として強い危機感を持って一致結束した対応をはかる、国民の信頼回復のために火の玉となって自民党の先頭に立つ、と記者会見で言ったようだけど、自民党はもう「火の車」じゃないのかなぁ(笑)

O 一致結束して、国民の信頼回復を図るためには、まず再発防止策を、ということになっているようだけど、犯罪に手を染めた当の連中がこれからはやりませんのでって、自分たちで法律作るって何かおかしくない?

A  それはちょっと言い過ぎかも。でもこれまで何度も政治改革、政治家改革が叫ばれ、その都度それなりの対応策や法律が作られてきたけど、結局法律の隙間をかいくぐるというか、裏をかいてきた歴史があるからね。

O 30年ほど前のいわゆるリクルート事件に端を発して起きた「政治改革」論争は、結果として選挙制度改革をやった。当時の中選挙区がカネのかかる元凶だとして、小選挙区比例代表並立制に収まったんだったよね。今度はまた中選挙区制度に戻せって声が起きてくるかもしれないね。

A  選挙制度を変えて30年。結局今の制度は自民党一強を作り出しただけで、巨大勢力の驕りを産むことになった。かつての田中派は、今の安倍派で、自民党は性懲りもない連中の集まりだねぇ、としか言いようがない。選挙制度をいじっても変わらないだろうね。

O 今回のことは罪は全て安倍派ってことになりそうな感がするけど、どの派閥も似たりよったりかもしれないよ。自民党はある意味で「日本党」といえるから、いわゆる日本人らしい特質を全部持っているんだろうね。

A  ここで日本人論をやっても拉致があかないよ。それに現状を嘆いてばかりいても仕方ないし。これから、どうすれば日本の政治が、政党が、政治家が変わるって思う?

O そうだね。世界を見回しても、どこも大変というか、民主主義の危機やら専制主義の横行が目立ってるね。アメリカは前大統領自らが民衆を焚き付けて暴動を先導したし、ロシアや中国も言わずもがなの実態だね。

A  危機的状況にある民主主義をよりまともなものにしようっていう動きがヨーロッパや南アメリカなど世界各地に起こりつつあるって聞いたけど、どういうことなのかなあ?

O ああ、住民が政治家に任せるだけでなく、自分たちで自らの地域の政治選択に関わろうという試みだね。「分散型ピア」とか言われてるっていうけど、簡単にいうと、選挙じゃなくて、くじ引きで民衆の中から、その任にあたる人を選ぶっていうんだよね。つまり、裁判員制度のようなものといえばいいか。

A  それって面白いかもね。実際にやるには色々問題あるだろうけど、やらないよりましかも(笑)。少なくとも、今のように、国民の税金を沢山使って、政治家を選び出したところで、ロクなことはない、となると、ね。

O  勿論、国会レベルでなく、地方議会に限定されてるし、くじ引きで選ばれた民衆が方針を決めても、実行にうつすのは、現行の仕組みを活用するしかないんだよね。そうだけど、基本的な方向を決める段階で無名の住民が関われるのはすごくいいことだってわけだろうね。

A  大昔のギリシャの頃の「直接民主主義」を連想させてちょっぴりわくわくしてくるよ。この面でも日本は遅れてるねぇ。ともかく、従来通りのパターンでなくて、全く違う角度からのアプローチをしないと。

O  ともあれ、今回の騒ぎを、適当な再発防止策でお茶を濁したりするだけで終わらせず、大所高所から多面的な議論をして、国民が希望を持てるような方向を見出してもらいたいね。(了)

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