健やかに生きられる地域作りへ大競争の始まり

ウエルネスマネジメントー少子高齢化、人口減少が進む中で注目される事業分野です。健やかに生きることができる町づくりとでも言えましょうか。厚生労働省の仕事を7年前にしていらい、わたしも関心を強めてきたのですが、このところ急速にその課題解決に向けて具体的に取り組む必要性に駆られています。先日も上京してその道の専門家たちと意見交換をしてきました。日本を代表する研究者(東京大学特任教授)並びに直接その事業に従事するコンサルタント会社の幹部たちとです。なかなか魅惑的な面白いひとときでした▼この問題を考える上で、中心に置かれるべきものは⓵医療・介護の集約⓶新たな産業の集積、整備⓷健康地域への転換ーの三つだとされています。要するに、医療、介護がワンストップで得られるような地域包括ケアシステムが確立されることが第一。次に、その地域に適応した新たな産業をそこに集めることです。そして最後に、その結果として雇用や新規の事業が創出され、若者が永住したくなるような魅力を持った町づくりをすることでしょう。この日の懇談の中で話題の一つに上がったのは、空き家、空き地対策でした。空き家を古くて邪魔なものとして建て替えてしまうのではなく、古き良きものとして再生させることの大事さが強調されました。かの人気テレビ番組の「ビフォア・アフター」の全面展開でしょうか▼いま、具体的なモデル事業を実施される候補地として考えられているのは奈良県橿原市、岩手県矢巾町です。こうした自治体は共に奈良県立医科大や岩手県立医科大など大学が存在し、そういった事業の先導役をするべく意欲を示しています。様々な企業群がこれから名乗りを上げてくることになるはずです。また、こういった事業展開のために必要不可欠な人材育成も集中的になされねばなりません。懇談のなかで、候補地の当事者の間では、はやる気持ちばかりが先行して、具体的な構想の中身が明らかになっていないことが指摘されました。集中的な議論の不足です▼聴いていて、私の地元姫路市での県立病院新設問題が思い起こされました。県立循環器センター病院と民間病院の統合を通して新たな地に基幹病院を新設しようというのですが、大事なのは医療関係者、行政、そして一般市民を巻き込んだ広範囲な地域医療に向けての議論です。どういう町づくりをするのかを合わせ論じないと、単なる場所選びではまったく意味をなしません。姫路には医科大がないという欠陥があります。そのマイナスをどう乗り越えて、立派なウエルネスタウンを作るか。他人ごとではないと強い決意を改めて持つにいたりました。思えば、住民みんなが自分の住む町の再生に向かって競争しあう時代の幕開けです。(2015・11・21)

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