現代社会を覆う不審、不安、不満を誰が払しょくするか

20年来の友人であるAKR共栄会(オール小売り連合=小売業に共同で仕入れ、配送し、保険をかける画期的な仕組みを進める一般社団法人)の河田正興専務理事と現今の政治、社会、経済をめぐって話し合いました。さる13日神戸市内で開催された公明党の赤羽一嘉氏のパーティに出席する前のひとときのことです。河田氏は私と同世代。日本なかんずく関西圏の中小企業の実態を知り抜いています。大企業との格差は歴然としているだけに、政権の経済運営はなかなか難しい舵取りが迫られているとの認識を持っています。加えて日米、日中関係を始めとする外交課題は山積しています。つまり政党の力関係とは別に、日本の底流には不安定さが付き纏っており、まさに今は正念場だとする厳しい見方です。その直後に二人揃って太田あきひろ前国土交通大臣の20分ほどの演説を聴きました。いつもながらの鮮やかな演説で、聴いていて気持ちいいものでした▼民主党政権時代の不始末から公共工事は行き詰まりすべてが閉塞してしまった。ようやく今、それがアベノミクスで一気に息を吹き返した。国外からの観光客も当初の予想を上回り2000万人に迫りそうで、大いに活気が出てきているというものでした。聴くもの皆がこれからの日本の前途に大いなる希望が持てそうな勢いが感じられる演説でした。ただ、河田さんとのやりとりにあったように、我々の日常にはそこはかとない不審が漂っています。それを太田さんの演説が払しょくしてくれたかどうか。私には何か足らない、これでいいのかとの不満が残りました。彼独特のリズミカルな熱弁が触れていないことへの不安でもあったように思えました▼来年は参議院選挙の年ということで今各党とも準備に余念がありません。公明党もすでにほぼ陣容を整え、機関紙にその候補者一覧がお目見えしています。選挙区には東京、埼玉、大阪の現職3人に加えて、神奈川、愛知、兵庫、福岡に新人を立て、合計7選挙区に挑みます。顔ぶれはまことに多彩かつきらびやかな経歴の持ち主ばかりです。比例区も定数48に対して現職5人に新人1人の計6人が挑みますが、これまた実力十分の素晴らしい面々です。私はかれこれ50年公明党の選挙をサポーターや取材記者として、あるいは候補者として関係してきましたが、これほどの人材が結集したのはこれまでにないことだと、改めて関心してしまいます▼とりわけ24年ぶりに挑む兵庫選挙区では、伊藤たかえさんが出馬します。先日ご本人に会って言葉を交わしましたが、まさにほれぼれしました。堂々たる体躯は”肝っ玉姉さん”とでも呼びたくなるような女性です。私は「凄いパンチ力だなあ」と失礼さも顧みないで、思わず口走ってしまいました。要するに頼りがいのある力強くて優しい雰囲気を五体に称えた。まことに素晴らしい個性を感じさせるのです。実は私の高校時代の友人・蔵重信博弁護士が経営する事務所にこの数年所属していたとあって、ひときわ強い関心があります。辣腕弁護士の彼も彼女の実力には太鼓判を押してくれています。こういう風な人材の宝庫たる公明党の参議院候補を見ていて、ぜひとも日本の前途に大きな希望を投げかけてほしいものと大いなる期待をするものです。といった思いを巡らせていた矢先、フランスでのおぞましいテロ事件が発生しました。遠く離れた異国でのよそ事ではありません。何時なんどき日本でも起こるかもしれないーこう考えたときに太田演説で聴きたかったことが浮かび上がってきました。日本の政治家の中では文明評論に無類の長けたものを持つ彼から、人類が直面するこうした事態の解決への手立てを示してほしかった、と。(2015・11・15)

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