早朝の倉敷での講演で二つの戦後の意味を語る

縁とは不思議なものです。先月末、倉敷市倫理法人会の早朝6時からの講演会に出ました。以前に姫路で開かれた上甲晃さん率いる会の今年の総会に出て、たまたま知り合った橋啓一さんという同倫理法人会の会長から依頼を受けて、二つ返事で承諾してしまったのです。なにしろ晩秋の早朝です。しかも岡山県で。どうしてオッケーしたか。ひとえに彼の笑顔に魅入られたからです。想像にたがわぬ素晴らしい人でした。前夜にやはり同会が主催された講演会(賢人塾代表の田端俊久さんが講師)にもお招き頂き、二時間ひたすらメモしながら聴きました。なかなか破天荒なお話で、最大の論点は近く大変事が日本に起こり、恐らく東京オリンピックは開催が難しくなるというものでした▼私の講演は、「二つの戦後から何が見えるか」という題で、いたってまっとうな持論を披露しました。二つの戦後とは、戊辰戦争とアジア太平洋戦争です。前者は日本最後の内戦ですが、江戸幕府の終焉と明治維新をもたらしました。後者はある意味で、対米100年戦争の決着で、西欧近代による日本近代の敗北とも言えます。私は日本社会が40年周期で興亡を余儀なくされてきた経緯を述べました。「富国強兵」で40年、日ロ戦争で勝利した日本はやがて80年の後に一国滅亡。そして「富国強経」(経済至上主義)で40年の栄華を誇っても、やがてその40年後、つまり2025年の少子高齢化のピーク時には今再びの危機に瀕するというものです▼それを回避するには、「富国強芸」の国家目標のもとで、芸術、文化立国を目指すしかないというのが私の主張です。加えて、欧米哲学(キリスト教をプラス)を乗り越える、日本思想のモデルチェンジをもたらす変革作業が欠かせないとも力説しました。手を変え品をかえて今私が強調していることを30分あまりで概説したのです▼この倉敷倫理法人会は全国で6万人ほどの会員を擁する一般社団法人「倫理研究所」の下部機構です。早朝から20人余りの会社経営者の皆さんが元気いっぱい集まられ、熱心に私の拙い話を聴いてくださいました。私や皆さんに共通するのは、今のままでは日本は危ういという問題意識です。生まれて初めての早朝講義の担当をしましたが、実に爽やかな気分に浸れることができました。このご縁は必ず大きく輪を広げるものと確信して会場を後にしました。(2015・12・1)

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