【202】「架空鼎談」通常国会の与野党論戦をどう見たか/2-7

02 通常国会の序盤戦━━衆参両院での各党代表質問、そして衆議院予算委員会での冒頭の基本的質疑(テレビ入り)が終わりました。ここでは、石破茂首相と野党代表との論戦、公明党の戦いぶりに焦点を絞って、いつものように、爺、父、孫娘の3人による「架空鼎談」を紹介します。

⚫︎「少数与党」だからこその新展開を期待

娘)今年の国会は「少数与党」ということで、当初から政府予算案の修正のなりゆきが話題になっているよね。それって、今までのように原案から〝ビタ一円〟も削ったりしないことがわかりきった予算案審議よりもよっぽどましって思うけど。政治家さんたち、発想の転換しないと、AI時代に取り残されてしまうわよ。
父) 政府与党としては野党からあれこれ言われた末に修正するっていうのは、沽券にかかわるっていうのが専らだったけど、広範囲な国民の意向を取り入れることに繋がると割り切ればいい。決して、悪いことじゃあないよね。予算委員会が従来は野党の与党スキャンダル追及の場で、予算は二の次になってしまってたからね。爺)それに、今度の国会では、当初の首相以下全大臣が出席しての総括質疑が終わると、3日間は省庁別質疑ということで、各省庁に対して個別の質疑をする機会をもうけることにしたのもいいことだよね。これまで長年分科会質疑という名のもと、予算質疑の大勢が決まった後の消化試合みたいに、陳情質問の傾向だったから。娘)まるでいいことづくめみたいね。じゃあ、これまでのような「不祥事追及」はなしになるってことかしら。それもおかしいね。多分議論の場を変えてやればいいんだよ。要は予算案を人質にしなけりゃいいんだから。父)ただ、気をつけないといけないのは、野党の要求を野放図に受けいれて、予算が膨張してしまうことは避けないとね。既に、今年度予算案の一般会計総額は115兆円を超えていて、借金依存の体質は強まる一方だから。爺)これを機会に、与野党共に、財源確保と歳出改革を両睨みで考える姿勢を徹底することが大事だよね。そのあたり、公明党が目を光らせて、合意形成のリードを取れるかどうか。これが予算案成立までのポイントだ。斉藤公明党の新出発もまずまずだったね。あの人は明るさはなみじゃないよ。ただ気負い過ぎてちょっと勇み足が気になる発言もあったみたい。岡本政調会長の初デビュー質問は口うるさい仲間が絶賛してたよ。

⚫︎小手先のごまかしは効かない「政治改革」

父)「政治とカネ」の扱いが微妙だね。3月いっぱいで「企業団体献金」の取り扱いを決めることになってるので、予算案審議と重なる。石破首相の答弁ぶりは、全体のトーンが低姿勢なのに、「政治とカネ」をめぐってはゼロ回答だとの批判が強く出てる。ここは注目されているけど、カギを握るのはやはり公明党の態度だよ。娘)「政治改革」はもう決着がついたのかって思ってたら、未だなんだ。「企業・団体献金」をめぐる自民党と野党の間の溝ってどこにあるの?野党各党はほぼ全面禁止で一致してるけど、自民党は断固反対なんでしょ?父)自民党は「企業・団体献金」が生命線だから一歩も引けないんだね。透明性を確保すればいいっていうんだけど、この党のカネにまつわる過去の流れを追うと、いささかどころか、疑問視せざるを得ない点が多いよ。爺)30年前の「政治改革論議」で、最終的に細川護煕さん、河野洋平さんの与野党トップの決断で、国民ひとりあたり250円の負担による「政党交付金」の支給が決まった。一般的にはこれは、「企業・団体献金」廃止の見返りだと受け止められたんだけど、石破さんは真っ向から否定している。結局玉虫色決着だったわけだ。

⚫︎注目される「人間政治」の真価発揮

娘)国会って、いつでもそんなことで大事な問題を曖昧にしてきたのね。この問題も水掛け論に終わりそうねえ。公明党は与野党の狭間にあって、どう打開しようとしてるのかしら。国民民主党の態度も気になるけど?父)公明、国民民主両党は共に、第三者機関というか、有識者の判断に委ねようという点で一致してるようだ。娘)政治家間で行き詰まったら、第三者機関の登場って場面が多いけど、そのうち、AIつまり巨大情報処理機構に頼らざるを得ないようになるかもしれないね。間接民主主義の疲弊が著しいから、直接民主主義をAIの駆使で可能にしようとの試みが実験的に行われつつあるようだわ。でもそこには、人間の叡智が反映されないと。爺)そうだよ。この国会は、予算が当面の最大課題だけど、それが終わると、選択的夫婦別姓問題や皇位継承にむけての皇族数の確保といった、国家、社会の根幹をなす問題が待ってるよね。加えて、トランプ米大統領の再登場で、外交、防衛から関税などの多方面での予測不可能な対応を迫られることが目に見えているよ。  父)石破訪米で、トランプさんとの初めての会談がもう直ぐ始まるけど、興味津々だよね。どちらもキリスト教カルバン派のプロテスタントだから馬が合うはずとか、ゴルフをしないからうまくいかないとか、世間は喧しい。石を破るって名前の持つ威力で、トランプ流駆け引きを翻弄して欲しいね。注目する国民の方が、「困った時の神頼み」になる心境だよ。(2025-2-7)

 

 

 

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