【72】新党「中道」の明日を占う国会論戦/2-15

/ 新党「中道」の新たな代表が小川淳也氏になりました。世間は色々と喧しい限りですが、ここでは雑音は封じ込めて、今後の見通しをざっと述べてみます。その前に、本日(15日)日本経済新聞のコラム「春秋」から紹介します。ここではある仏教学者の著書を引用した上で、中道とは「単に極端に偏らないバランス感覚のようなものにとどまらず、事実を事実として直視できる目を持って、主体的に道を選び取る生き方のこと。政治に当てはめれば、リアリズムに基づいて最善の道を考える姿勢」としています。リアリズム云々は、主に旧立憲民主党への注文だと思われますが、「安全保障も財政も社会保障もいよいよ難しい現実の的確な評価や直視が要る。にわかに掲げた中道の旗は案外、核心に触れている面がある」と、遅きに失した面はあるものの、一定の評価は出来ると思われます。

 旧政党のどっちがどうだなどと言うことはこの際は避けて、新たな決意の門出を率直に喜びあいたいと思います。

★新党の出発に相応しい国会論戦を

  小川淳也氏といえば、『なぜ君は総理大臣になれないのか』っていう映画を世に送り出した人物で知られています。私は予告編を今頃になって見ただけ(至急本編を見たいものと思っていますが)で、殆ど何も知りませんが、一部メディアでは高く評価されていたことだけはよく覚えています。その当時タイトルを見て、「うーむ。そう来るか」と半ば呆れ気味に敬遠してしまったものでした。「出る杭は打たれる」世界にあって、打たれ強い逞しい人は、今回の大激戦の中でも見事に小選挙区で勝利しました。そして新党の新たな代表に。発信力は抜群と言われるだけに大いに期待したいと思います。5票差で敗れた階猛氏を始め、49人の前には七難の二乗を超える艱難辛苦が待ち受けているでしょうが、是が非でも頑張って欲しいものです。

 18日から幕開けする国会は7月18日までの150日間。あれこれ取り沙汰されていますが、従来よく見られた国民大衆から顰蹙を買うだけのような議論はやめて欲しいと、攻守双方に言っておきたい。攻める野党側に、スキャンダル追及ばかりするな、予算委員会は予算質疑をする場だ、というようなことを言うつもりはありません。必要欠くべからざるものはどんどんやっていいと思います。しかし、同時に国の根幹に関わる問題については外さず議論の俎上に載せて欲しいと思います。とりわけ、新党「中道」には「憲法」「安全保障」「社会(生活)保障」「エネルギー保障」を始めとする重要テーマをきっちり議論する場を選んで、国民有権者に明確に発信して欲しいと思います。

★国民注視の「社会、政治的実験」としての「中道」

  新党については、地方議会、参議院に存在する公明党、立憲民主党との合流問題が大きな関心事でしょう。ですが、私は急ぐことはないと思います。それぞれ明年、2年後に、統一選挙、改選期を迎えるわけで、遅くともその時までにそれなりの答えを出せばいいのではないでしょうか。それまでの時間、それぞれのレベルで中道政治の本義に叶った実践をしていくことに着眼し、鋭意邁進すべきだと思います。まずは、衆院中道、参院公明党、参院立憲民主党という国会における3党が綿密な連携をとりながら、呼吸を合わせていく必要があるでしょう。「三位一体」など至難の業かもしれませんが、国民注視の「社会・政治的実験」だと私は思っています。

 60年余の歴史を持つ公明党で、人生そのものを生きてきた人間のひとりとして、私は政治家は党派性に拘らず「オール日本」の価値観を大事にすべきだと考えます。その場合の共通認識は日本が世界の中で「少子高齢社会」の先駆を切っていることです。今や日本は限界集落ならぬ「限界国家」の運命にあるということでしょう。と同時に、中米ロの三極が一段と専制国家的色合いを強めてきているとの国際情勢認識を持つ必要があります。国会審議にあっては、野党慣れした立民と与党ズレした公明の旧弊を打ち破る議論を望みたいものです。

 ★『公明』3月号の特集インタビューが興味深い

 その際に、3月号の理論誌『公明』の特集『現役世代と政治をつなぐ」の中の興味深い論考などが参考になります。苅部直東大教授の「中道改革勢力の結集には〝確たる中心軸〟が不可欠〟」とのインタビューがとくに印象的でした。とりわけ、優先順位を明確にして課題に取り組む姿勢の大事さを強調する中で、〝与党の逆張り〟をしているだけではいけないと述べているくだりです。ここは「中道」の本気の覚悟を表すバロメーターとして注目されます。

 合わせて、共産党やれいわ新選組が非正規労働者や外国人労働者を巡る問題に関心を持つ人々を惹きつけ、若者は国民民主党や参政党を支持し、有力な業界団体に属する経営者は自民党を引き続き支持すると位置付けてるところが気になります。では、「中道」や公明党はどの層に焦点を合わせればいいのか?苅部氏は、「真面目に働いてはいるけれど、今の世の中は暗く窮屈になっていると感じている人々の声が響く居場所になれる政党をめざすべき」と述べています。この辺り、議論が分かれるところでしょう。さて、それらも含めて国民みんなが大論争を起こしたいと私は考えます。(2026-2-15)

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