自公連立20年とこれからー懸念される中道主義の存在感❶

私が理事を務めます、一般社団法人「安保政策研究会」の「安保研リポート」vol25に「自公連立20年とこれからー懸念される中道主義の存在感」とのタイトルで寄稿しました。以下に転載します。

自民党と公明党が連立を組んだのが1999年。早いもので、この10月5日でちょうど20年になった。平成の30年間の後半の3分の2に当たる期間を、両党は政権を共にしてきたことになる。具体的な政権運営のかたちは、ポスト面からいうと、国土交通相が既に五人も連続して公明党から誕生しており、副大臣、政務官も厚生労働省、農水省、経済産業省、財務省が定番となっている。たとえ、1年間ほどの短さとはいえ、政府の一角を担う人材が着々と増えることの持つ意味は小さくない。庶民大衆の声なき声を吸い上げることに一意専心してきた公明党が今や、権力中枢にしっかりと食い込んでいる。さまざまな政治的課題についての要望が容易に中央に届くことは、大きな実現力として有権者の最先端に跳ね返ってくる。大向こうを唸らせるような論戦における華々しさは、野党時代と違い、いささか遠のいた感がするが、それを補ってあまりあるほどの手応えが公明党の最前線にはあると思われる。

「公明党の自民党化」への懸念

一方、各級選挙においても両党の協力ぶりは年々歳々親密の度を増してきている。衆議院選挙において、公明党は9の小選挙区で自前の候補を立て、自民党の支援を受ける代わりに、それ以外のあらゆる選挙区で、自民党候補を押し上げる役割を果たしている。参議院選挙では、公明党は7つの選挙区で自民党候補と共同推薦の形を受けており、自公入り乱れての複雑な選挙戦を戦ってきている。この夏の参議院選挙では、私の地元・兵庫選挙区が全国一の激戦区ということで、激しく自民党支持者層に食い込む戦いを展開した。各種団体の推薦を始め、自民党衆議院議員をも巻き込んでの闘いぶりは「公明党の自民党化」(神戸新聞)現象を内外に印象付けたものである。

かつて、鴻池祥肇氏(故人)が参議院兵庫選挙区における、三宮駅前などの繁華街での自らの演説で、「おーい、こん中で公明党の人おるか?あんたらわしを応援せんでもええで。よその党の応援なんか貰わんでもわしは勝ったる」と、声高に叫んだ場面が忘れがたい。同氏独特のパフォーマンスで固有の支持者を沢山有していただけに、公明党の支援を求めるなど片腹痛いということだったに違いない。自公選挙協力の滑り出しの頃には、こうした鴻池氏のような候補者は散見されたもののようだが、今ではほとんど姿を消したかに見える。一方、公明党の方でも、自民党候補の名前を書くことへの抵抗感は少しずつ後退してきているものと思われる。

ただ、表面的にはおさまっているようでいて、その実、反発が強いのが衆議院の公明党の9選挙区における自民党支部である。自前の候補を出せぬことからする組織力の低下がもたらす不満が高まっている。参議院の選挙区選挙のように、一つの選挙区で自公が共に戦って、議席を争奪する形にして欲しいとの要望は出ては消え、消えては浮かんできていると聞く。公明党の方は、小選挙区の数が圧倒的に少なく、比例区オンリーで戦う選挙区が大半のため、表面的には不満は高まらないよう見える。(続く)

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