コロナ禍のステイ・ホームでの「放送大学」の魅力

新型コロナウイルスの猛威を前に、これまで全く知らないままできた「放送大学」の存在に気づきました。テレビを見る機会がこれまで以上に増えたといっても、くだらないものが圧倒的に多い民放は見る気がしないという人は少なくないでしょう。NHKには見応えのあるものが時々ありますが、四六時中家にいて見るとなると、とてもその欲求に応えてはくれません。そんな時に私は「放送大学」の講義に、連日はまっています▲当初は20講座ほどに触手を動かしましたが、一講座45分間なので、いささか多すぎ。試行錯誤の結果、半分ほどを淘汰して今は10講座ほどを録画して見ています。率直な感想は、イケルの一言に尽きます。なぜ今までこの存在に気づかなかったのか▲具体的に魅力的だと私が思う講座を挙げますと、国際政治学者の高橋和夫さんのものです。この人は中東問題の専門家とは知っていましたが、実際に講義を聞いてみて、本当に面白く魅力的です。『世界の中の日本』『現代の国際政治』『中東の政治』の3講座を一人で担当していますがいずれも抜群に引きつけられます。北欧、米国、中東など世界各地に足を運び、テーマごとに現地のキーパーソンにインタビューをしたり、縦横無尽に新鮮な画像を提起してくれます。また、『徒然草と方丈記』を担当する国文学者の島内裕子さんの講義も実にためになります。仏像のようなお顔から発せられる落ち着いた語り口はなかなかです。英文学者の宮本陽一郎さんの『英語で読む大統領演説』も単なる英語学習だけでなく、米国政治を中心に幅広い知識習得に役立ちます。そのほか一つひとつ挙げるときりがありません▲今、通常の大学では講義が行われず、このままいくと、大学教員の失業が一気に増えるのではないかということが懸念されているとのこと。確かに、オンライン化による講義の効用がこのまま「ポスト・コロナ禍」も続くと、そういうことも起きかねません。今の大学の講義がどのように勧められているかは詳しく存じませんが、放送大学のような工夫をしている講義はあまりないのではないかと危惧します。ともあれ、70歳台半ばの爺さんが久方ぶりに美味しい食事に出会った時のようにワクワクする思いで、毎日テレビの前に座っています。(2020-5-12  一部再修正)

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