【59】野党を巻き込む「部分連合」も──毎日新聞Web『政治プレミア』への寄稿から❹/8-10

 

 さて、これからの3年で、これらのビジョン策定を進めることが出来れば、自公政権の質的安定感は飛躍的に高まります。テーマによっては、最終合意は棚上げにして、目指す理想の形と当面の現実対応とに分けることでもでもいいかもしれません。同時に、この作業は密室でなく、少なくとも協議後は議論の中身は公開すべきです。そうすることで、野党の中から「是」とする動きが健在化して、新たな展開を生み出すやもしれません(希望的観測ですが)。そこは硬直化した姿勢ではなく、柔軟な対応が求められると思われます。

 大胆に言えば、テーマによっては、2党間合意でなく、野党も入れて、3党、4党間の一致を見ることがあってもいいし、さらには組む相手を変えての2党でもいいかもしれません(これまた希望的観測ですが)。パーシャル(部分)連合による連立政権も、日本の前進のためなら厭わないといった新しい時代の連立政権のあり方も期待されると思うのです。

 連立のパートナーとしての公明党は、自民党との協議を進める一方、党内での活発な議論が当然ながら必要です。できれば、当選回数別の議論や、年代別、男女別の議論も面白いと思います。あるいは現役とOBとの新旧論戦もあっていいかもしれません(現役側に嫌がられるでしょうが)。自民党もこれまで公明党との連立のあり方を問う動きは全く見えてきませんでした。公明党も表にはそういう議論は聞こえてきません。両党共に、「自公連立は当たり前」という態度では、量的安定は望めても質的安定は難しいと思われます。

 さらにその党内議論をオープンにして欲しいものです。日本で、日刊の機関紙を持っているのは、公明党ともう一党だけです。民主主義を掲げる政党なら、日常的に党内で対立するテーマの論争を紙上で掲載すれば、世の注目を浴びるのは必至と思います。そんな百花繚乱(りょうらん)ぶりに議論が公開されたら、日本中で話題になること請け合いです。そういう展開があれば、「比例票増」に悩むことなどない、と私は思うのですが、これまた楽観的に過ぎましょうか。

 本サイト「政治プレミア」で、「時代の転機に国民的大論争を起こそう」と、呼びかけさせていただいたのは、今年2月でした。真夏の参院選に「勝利」した自公政権が「黄金の3年」に挑む今がその時。これを「真夏の夜の夢」には終わらせたくないのです。(2022-8-10  この項終わり)

※これは、毎日新聞Webサイト『政治プレミア』欄8-1付けに掲載されたものを4回に分けて、転載しました。

 

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