【60】日本の真の独立と世界の平和を熱望する─77年目の「敗戦の日」に/8-15

 きょう、77回目の敗戰の日(終戦記念日)を迎えた。今年冒頭に(厳密にいうと昨年末)、私が『77年の興亡➖価値観の対立を追って』を出版してから、7ヶ月余りが経つ。なぜ「77年の興亡」にこだわるか。その理由は2つ。日本近代化の始まり、明治維新から数えて77年目に、アジア太平洋を舞台にした「15年戦争」を戦って日本が敗れたことがひとつ。もう一つは、そこを起点にさらに77年、経済の復興を経たものの、今や〝失われた30年〟と称される停滞期に陥いり、まさに〝今再びの敗戰〟気分にならざるを得ないからである。前の77年は近代化を目指し「西欧対日本」の戦いの末。後の77年は民主化のもとでの「保革(リベラル)」の争いと見立てた。77年のサイクルで、〝二度目の敗戦。〟を迎えている原因を探り、これからを展望した★その際に、後半に登場した中道主義の党・公明党の闘いに焦点を絞った点が、特徴的である。「大衆福祉」と「世界平和」を二枚看板にした党が、結党60年を迎える今年、どういう立ち位置にいるのかを私なりに描いてみた。ひとことずつ、要約すると、「『格差拡大』に喘ぐ大衆の救済未だならず」と、「国際社会は第三次世界大戦への風雲止まず」であろう。内外の事態は共に急激に悪化している。「自公連立20年」に、時代が直面する大状況は、かつて公明党が船出した時に比べて良くなっているとは言い難いのだ★この現状をどう見るか。いや、どうするのか。政権に公明党が加わっているからには、自民党のなすがままであってはいいはずがない。ここは、政権の改革に向けて、自公協議を推し進め、大いなる政権ビジョンを打ち出せというのが、私の主張である。既に朝日新聞Webサイト『論座』と、毎日新聞Webサイト『政治プレミア』に書いた(共に、この欄に転載済み)通りである。安倍晋三元首相の狙撃死いらい、「旧統一教会」と政治家の関係が取り沙汰されているが、与野党共に早急に自浄作用を示す必要がある。内外の重要政治課題解決がこれによって、先送りや棚上げにされては断じてならない★77年目の敗戦の日に、私たち日本人は改めて大いなる岐路に立っていると、自覚する。それは、「世界平和」確立に向けて強い意志を示すか、状況に追従してズルズルと戦争への道にのめり込むかの分かれ道である。ロシアとウクライナの戦争長期化が確実視される一方で、北東アジアでの〝新たな戦火〟が強く懸念されている。こういう時にこそ、仏教に淵源を持つ「中道主義」の真価が発揮されるべきである。それは対立する両勢力の狭間にあって、平和確立への話し合いの交渉に徹して動くことではないか。そう自民党を、外交当局を督促すべきだ。それが出来ず、米国陣営の中で切歯扼腕するだけの日本なら、結局は米国占領下7年プラス70年の継続であったという他ない。最初の77年サイクルの始まりの頃、慶應義塾の創始者・福澤諭吉先生は日本の独立の行く末を憂えた。2度目のサイクルが始まった頃、創価大創立者・池田大作先生は「世界平和」に向けての強い意志と行動を示された。次なる77年、三たびめのサイクルに向かって、この2人の先達の思いに強い共鳴を抱く。(2022-8-15)

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