【69】やっとこさ「3ヶ月の夏休み」が終わった国会へ/10-9

 安倍晋三元首相が銃殺されて、8日で3ヶ月。やっと国会が召集された。参院選が終わって何故にかくも長く国会は休みだったのか。ずっと夏休みが続いていたのか。この間に何をしていたか、議員各位に報告を聞きたい、と文句も言いたくなる。そんな折に、毎日新聞8日付夕刊『熱血!与良政談』を読んだ。与良正男専門編集委員による面白いコラムだ。野党各党が、憲法53条に基づく臨時国会の召集について、国会法改正案を提出したと言うのだ。現在の規定はいつまでに開けとはなっていない。それを具体的に「20日以内に開くことにする」と、明記しようというもの。この動きの「ミソは立憲を敵視してきた維新が協力姿勢を示している点にある」と。与良さんは、かつて自民党も同じことを言っていた(2012年同党憲法改正草案)のだから、反対する理由は乏しい。改正案に賛成の側に回らねば、維新が菅義偉前首相らに手を延ばしかねないと忠告しているのだ◆これを読んで、私などは、そうならぬうちに公明党こそ、野党に同調すべきでないのかと思う。この辺りはもっと柔軟に世論に敏感にならねば、と。与党だから、なんでも自民党と歩調合わせねばならんということはないのではないか。そういえば、前日の参院での公明党の山口那津男代表質問を聞いた古い友人が電話で直ぐに、疑問を投げかけてきた。山口氏が、質問の最後に、「自民党をしっかり支えていく」との文言をわざわざ付け加えていたが、なんだか違和感を感じたというのだ◆旧統一協会問題について、これだけ今話題になっているのに、公明党の代表がそれに一切触れなかったことと関係あるのかと勘ぐりたくなる、とも。社会的に問題のある宗教団体と政治家との関わりについて、基本的な岸田首相の姿勢に釘を刺すぐらいはあって欲しい、と。私は、衆議院で石井啓一幹事長が最後に取り上げていたではないかと抗弁すると、「いや、代表と幹事長は違う。ここは参院でも重ねて糺すべきだった。それに、衆議院では細田博之議長のダンマリ姿勢が非難されている。石井さんは、その人物の真前で質問したのだから、立憲民主の代表のように厳しくなくても、皮肉の一つぐらい口にして欲しかった」と。そう指摘されて、いいものはいい、悪いものは悪いという姿勢が今の公明党に欠けていると思わざるを得なかった◆ところで、石井氏が「2040問題」を取り上げたことは光っていた。2025年から2040年の間に1200万人もの働き手が減り、社会保障費が膨大になっていく。これをどうするか。公明党は先の党大会でベーシックサービスの導入を絡めて、明年度中に対応策を打ち出すことを決めた。これは極めて大事な問題意識である。ただ、こういう基本的な重要課題は、自公両党でプロジェクトチームを組むなどして、立ち向かうべきだろう。それぞれが検討し、定期的に課題を持ち寄って議論を詰めていく。そういう協力姿勢も国家的課題には必要だ。今後注目して見ていきたい。(2022-10-9)

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