【88】佐藤優氏の講演を聴いて我が胸に去来すること(上)/1-29

 

 先日、国会で鈴木宗男参議院議員(日本維新の会所属=『新党大地』代表)が主宰する「東京大地塾」が、佐藤優氏を講師に招いて月例の講演会をしました。友人からYouTubeを送ってもらったので、見ました。様々な面で教えられるところが多い刺激的な1時間あまりでした。今私は「様々な面で教えられるところが多い」と、述べましたが、この言い回しは実は、2009年(平成21年)の11月18日の衆議院外務委員会で、私が鈴木宗男衆院外務委員長(当時)に対して、同委員会に質問に立った際に最後に付け加えたセリフと重なります◆いわゆる宗男事件で衆院証人喚問に立った際に私は、鈴木氏を揶揄したものでしたが、その誤りを率直に反省し、法廷闘争や外務省との闘いを通じての鈴木、佐藤の「おふたりの例えようもない友情に教えられるところが多い(趣意)」と述べたのです。この顛末については、佐藤優氏の『創価学会と平和主義』(『朝日新書』2014年)の中に詳しく述べられています。私の委員会発言を引用した上で、「こういう発言が出てくるのは、創価学会や公明党の持つ組織の文化だと思う。国家が何か策動をしているときに、一歩引いて状況を観察する。国家権力の論理とは別の価値観で動いているのだ」とのくだりが注目されます◆実は、この私の発言がきっかけとなって、佐藤優氏は公明党に強い関心を寄せるようになったといいます。同志社大学出身者のある懇談の場で、なぜ公明党贔屓になったのかと訊かれて、率直にそれを明言しています。それだけではありません。これまで、潮出版社のWebサイト「創価学会学生部員と『世界宗教の条件とは何か』を語る」の第2回での記述を始め、複数の出版物で、私への論及が散見されるのです◆ここで私は10年ほど前の昔話をしたいのではありません。先日の講演で、ロシアのウクライナ戦争をめぐる日本の対応に大いなる懸念を表明した上で、今の危機を乗り切るためには公明党、創価学会に期待するしかないという意味の注目すべき発言をしていることを考えたいからなのです。(つづく 2023-1-29)

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